調べると、B社のライバル会社はおおむね10日に一度の頻度でC社にプレゼンをしていることがわかりました。果敢に営業攻勢をしかけるライバルを跳ねのけ圧倒するためには、B社としては3日に一度は訪問したい。しかし訪問回数を増やすためには、それなりの「口実」も必要になります。

 そこでB社の社長が考えたのは「プレゼンの提案内容を分割する」でした。訪問第1回は「本日はオフィス什器についてご説明いたします」。第2回は「消耗品についてお話しさせていただきます」。第3回は「本日は是非、環境保護ということについてお考えいただきたく」。これはC社に強いインパクトを与えました。なにしろ「一訪問・一提案」だから理解しやすい。聞き漏らしたことがあっても、B社はなにしろ他社の三倍もの頻度で来るのだから質問しやすい。結果、B社はめでたくC社との取引ができるようになりました。

嫌がるお客様がいるのも事実だが…

 契約書を交わしたとき、B社の社長はC社の担当者に質問しました。「どうしてわが社をお選びくださったのですか」。担当者の答えは単純でした。「なに、御社が一番熱心でしたからね」。訪問回数が売り上げにつながる、これはその典型例といっていい。

 繰り返しますが、訪問回数が増えることをこころよく思わないお客様は一定数いらっしゃるでしょう。ですが、訪問回数を熱意のあらわれと捉え、「ここなら良質な仕事をしてくれるはず」と期待してくださるお客様はそれ以上にいらっしゃいます。

 あなたに課せられた仕事は、そういうお客様の掘り起こしです。それは、断られたり疎ましがられたりすることを嫌ったり、それでお客様訪問を避けたりする態度からは、決して実現できないものだと肝に銘じておいてください。

(構成=諏訪弘)