「これはいいものだ」「だから売れるはずだ」は売る側の論理
なまじ優秀な管理職が犯しやすい誤謬は、「これはいいものだ」「だから売れるはずだ」「いや、売れないとおかしい」という思い込みです。だからセールを打ってみたり、熱心に営業をかけてみたりする。もちろん、それ自体は大いに評価すべき企業努力ですが、1つ大切なことを見落としています。「売りたい」というのはあくまでも会社の論理であって、お客様の都合とは必ずしも一致しないのです。
仮に、あなたの会社がパン全般の製造販売を手がけていて、食通をもうならせるほどの味のチョコレートパンを開発したとします。当然、あなたはチョコレートパンを大いに売りたいと思う。ところがチョコレートパンは基本的に「お菓子」であって、日常的に食べる主食ではありません。長期的視野で見てお客様のニーズが最も大きいのは、毎日でも食べ飽きない味で、なおかつ買いやすい価格の、主食になる食パンです。それでもなおチョコレートパンを重点的に売り続けるのは、食文化的にはともかくとしても経営的には間違いです。
「良いものが売れる」のではなく、「売れるものが良いもの」。あなたは管理職として、常にこのことを意識しておかねばなりません。売れるものをどんどん生産して(あるいは仕入れて)どんどん売る。それこそが正しい。自社の都合とお客様の要望、この両者の食い違いに気付かずにいたら、どんな経営努力もまったく無意味です。
多くの会社が「売り上げが伸びない、利益が出せない」と嘆きます。その原因は往々にして、会社側の論理をお客様に押し付けているから。それに管理職はもとより社長も気づいていないことにあります。売り上げは「伸びない」のではなく「伸ばそうとしていない」、利益は「出せない」のではなく「出そうとしていない」に過ぎないのです。どうかそのことに気付いていただきたいと思います。
(構成:諏訪 弘)
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