最初はうまくはいかないでしょう。しかし、なにもしなければ永遠に上達しません。どれほど無能な部下でも、継続すれば多少は伸びます。成長の度合いは人によってまちまちでもかまいません。昨日よりは今日、そして今日よりは明日、わずかながらでもスキルアップしていくことが重要です。

 どんなにきつくても、やがて成果が挙がれば達成感も出てきます。業績という形になれば、給料や賞与にも反映される。つまりそれだけ人生が充実する。上司が甘やかしたばかりにそのチャンスを逃した部下は本当に哀れです。「時間に仕事を張りつけ」、部下を駆り立てるというのは一見スパルタ式のように思えますが、実はこの上ない温情なのです。

時間をどう活用するかに、管理術の巧拙が表れる

 時間に仕事を割り振るようになると、様々な局面で効率がよくなります。日常の細切れ時間にも仕事を割り振れば、煩雑なことでも効率的に処理できます。

 仕事においては、いかにものごとを可視化するかが重要です。スキルアップも例外ではありません。仕事の「質」という、主観的で実態の把握しにくいもので評価すると、必ず失敗します。人によって取りようが違う物差しでは、公平な比較などできません。その点、時間は実に単純明快で、可視化された基準です。

 前回は2時間かかったのであれば、今度は1時間50分でやる。きちんと数字で指示することができ、結果も検証できます。達成できなかったときに本人も力不足を潔く認め、叱られたとしても腐ることなく素直に管理職の言葉を受け止められるようになる。部下を育てるに際しては、いかに時間をうまく利用するかというところに、管理術の巧拙が表れます。もちろん経営者もそういうところに目を光らせて管理職の能力を見きわめているのです。

(構成:諏訪 弘)

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