「マイペースで」と言うのは、「楽をしろ」というのと同じ。(写真:PIXTA)

中小企業にスター・プレイヤーは要らない

 私はわが社の管理職に、「仕事に人を張りつけなさい」と指示しています。その意味するところは「部下をオールラウンドプレイヤーに育てなさい」ということです。「この仕事はAくんでなくては駄目とか、あのお客様に対してはBさんじゃないとまずいとか、そういう状況はなくせ」というわけです。

 CさんだろうがDくんだろうが、とにかくだれがやろうが同じ結果が出せるようにしておく、これが管理職の大切な仕事です。なぜか。一人の能力に依存して仕事を回していては  これすなわち「人に仕事が張りついている」状態ですが  彼が辞めたとたんに業務が滞ってしまうからです。中小企業にはスター・プレイヤーは要りません。とにかく皆ほどほどに二割強の打率を維持してくれればいいのです。

 こういう状態を実現するために、管理職はなにをしなくてはいけないのか。仕事をマニュアル化・定型化・チェックリスト化しておくことです。とにかく、マニュアルさえ見れば昨日今日入ってきた新人でさえも仕事ができるようにする。また定期的に部下の抱えている仕事をシャッフルすることも有効です。Aくんはお客様Bと長くなりすぎたから、今度はお客様Cを担当させよう…、という具合に。

 業務のマニュアル化を実現しておけば、いつ、だれが辞めても(あるいは病気や事故で出社ができなくなっても)組織としてはまったく困ることがありません。こういうことは直接的な利益とつながるわけでは必ずしもないので、多くの管理職は(その必要性は理解していても)なかなかやりません。ですが経営者は、管理職がそういう仕事「も」することを強く望んでいる。このことをあなたは忘れてはいけません。

仕事には無理やりにでも、締め切り時間を設定すべし

 …と、しかし実は本稿の主題は「仕事に人を張りつける」ことではありません。仕事と、それに要する時間について申し上げたいのです。

 あなたの部下は、ともすれば「この仕事Aが終ったら仕事Bをしよう」「仕事Bが完了したら仕事Dに手をつけよう」という発想で仕事をします。これは正しいことのように見えますし、じっさい仕事を完遂する意志があるだけわが社の一般社員よりずっと素晴らしいことですが、あなたはこれを認めてはいけません。なぜならばそれは「仕事に時間を張りつけている」からです。