「自分はこんなにも仕事ができない人間だとは想像もしていなかった」「周囲の足を引っ張っていて心苦しい」。

 入社前の頭で「実力が発揮できる」と考えるのと、現実に現場で「実力が発揮できた」というのでは、雲泥の差がありますから、こうした変化は当然です。新人のあなたもいま5月になって、わが社の新卒社員と同じような悩みを抱えているかもしれません。

 「俺はなんて仕事ができない奴なんだ」「もう駄目だ、使えない奴と思われているに違いない」。

 心配しないでください。繰り返しますが、あなたがそのように悩むのは当然です。あなたの同期はみな同じように悩んでいるし、またあなたの上司や先輩も同じように悩んできたのです。

 気にしないでください。あなたが本当に箸にも棒にもかからないでくのぼうだったら、そもそも採用なんか絶対にされていません。あなたの会社の採用担当者は、あなたが思うよりずっと優秀です。採用担当者はこれまで何百、何千人の就職希望の学生に接してきているのです。自信を持ってください。

 あなたが仕事ができないのは、事実でしょう。しかしそれはあなたに能力がないからでは断じてない。ただ単純に、仕事をうまくこなすだけの経験をまだ積んでないからに過ぎないのです。だから私から、こうアドバイスしましょう。仕事ができない、自分には能力がないと悩むのはもうお止めなさい。時間の無駄です。その代わりに自分の長所をしっかり認識し、それを伸ばすことに全力投入しなさい、と。

 いま、仕事に行きづまって自信を失っているあなたに「長所を伸ばせ」といってもピンとこないかもしれません。しかし、短所がひとつもない人間がこの世に存在しないのと同様に、長所がない人間も存在しません。長所は往々にして「当たり前」になっているもので、自分ではなかなか気づけないものなのです。

「短所を圧倒するくらい長所を伸ばす」と気持ちを切り替えよ

 あなたも、一度や二度は上司に誉められたことがあったでしょう。それがすなわちあなたの長所です。あるいは日常業務の中で「この仕事は好きだな」「この作業は自分に向いているな」と感じたこともあるはずです。それもまたあなたの長所です。どうかその技に磨きをかけて、一層の長所にしてください。