なによりも、チェックが「ある」ことが大切

 では管理職はいったいなにを、どうチェックしたらいいのか。実はこれもまた一言に尽きます。すこし乱暴に聞こえるかもしれませんが、「なんでもいい」「どうやってもいい」です。部下の日別・週別の売上をチェックするでも良し、定期的にお客様訪問に同行して仕事ぶりを確認するでも良し。どういうことであれ、あなたが必要だと思うことを、あなたの裁量で自由にやってかまいません。ただし、忘れてはいけないことがあります。それは「×日にこれこれのチェックをする」と事前に告知しておくことです。

 すると部下はどうするかというと、チェック日が近づくと、それまでの怠惰な勤務態度はどこへやら、必死になって帳尻を合わせようとして頑張るようになる。そんなことでいいのか? もちろん構いません。というより、そうでもしないと部下はまともには仕事はしません。

 あなたの学生時代のことを思い出してください。一夜漬けで試験勉強をしたでしょう? 「明日はテストだ」「進級がかかっている」と思うと、それはそれは素晴らしい集中力を発揮して、それなりの点数を取ったはずです。テストという「チェック」のあることが、あなたの態度を変えさせた。会社でもそれは同じです。部下は「自分の仕事は常にチェックされる」と思うからこそ動く。

 もちろん中にはチェックなどしなくても自発的に働く人も、いないことはない。しかしそれはごく一部のエリートか、超絶的な変人に限った話であって、少なくとも中小企業にはそんな殊勝な心がけを持った人材はほぼいません。あなたはこのことを認めなくてはなりません。管理職がチェックをしないということは、部下に対して「皆さん、どんどんさぼってどんどん高給を貪ってください」と宣言しているのと同じです。

 と、こう考えれば先に私が「(チェックは)なんでもいい、どうやってもいい」と書いた理由もおわかりになるでしょう。チェックはなによりもまず、部下を仕事に駆り立てるためにあるのです。すなわちチェックは、チェックの内容よりも、チェックが「ある」こと自体が大切です。どんなことでもいいから思いついたことを適当にチェックリストにアップしておけば充分です。それで不具合が生じたら随時訂正していけばいい。

タイトルを決めて、仕事に時間を割り振れ

 とはいえ、チェックをよりやりやすく(かつ、より有効に)するためには、以下に述べる2つのことを押さえておくことをお勧めします。

 ひとつは、仕事にタイトルをつけて明確にしておくことです。「そろそろAくんには営業に行かせなきゃ」と頭で漠然と思っているだけでは駄目で、必ず「お客様訪問」「商談」とタイトルをつける。そしてそれはグループウェアなどにはもちろんのこと、ホワイトボードなどにもわかりやすいタイトルで明記しておく必要があります。

 新聞のTV欄を思い出してください。「ワールド・ベースボール・クラシック・日本×キューバ」とか「ニュース○○」とか、一目で放送内容がわかるようになっています。だから視聴者も「見よう」という気になる。仕事のチェックもそれと同じです。一見して仕事内容がわかるようにしておかないと到底把握などできません。ですからこのタイトルは、具体的であればあるほどよろしい。先に例として「お客様訪問」「商談」と書きましたが、実際には「お客様訪問」よりは「○○地区のお客様訪問」としたほうがいいし、「商談」よりは「××の件に関してA社・○○部長と打ち合わせ」としたほうがいい。すぐに仕事の内容が判断できるタイトルをつけてください。