決めたことや命じた仕事は、なにがなんでも守らせる

 前回の当連載で私は、「部下は仕事だけきちんとしていてくれたらいいと、割り切って考えよ」という内容を書きました。つまり、管理職はともすれば「もっと真面目に」とか「組織人としての気概をもって」とかいう、いってみれば心の領域に属することを部下に求めてしまいがちである。しかしそんなことは、仕事ができてからでいい。部下は決められた仕事さえきちんと完遂してくれたらいい。そう思って仕事の管理を徹底しなさい。そうすることで組織は明るく、風通しが良くなるのだ…、と。

 ところで「仕事の管理を徹底する」とはいったいどういうことでしょうか。具体的にはなにをしたらいいのでしょうか。答は一言、文字通りの「徹底」です。すなわち、決めたことや命じた仕事は、なにがなんでも守らせる。例外を認めたり情状酌量したりしてはいけません。下手に妥協すれば部下は必ずあなたを軽んじ、後々の仕事がたいへんやりにくくなります。

 そして、仕事の管理を徹底するには、部下の仕事ぶりをチェックすることに尽きます。

 あなたの部下は、人間的には好ましい人たちでしょう。しかし、だからといってその仕事ぶりまでもが好ましいとは限りません。神ならぬ身である以上は意図せぬミスは絶対にありますし、時に仕事の手も抜きます。はたまたそれを気取られまいと隠蔽工作も行なうでしょう。それが普通の人間というものです。

 過去の当連載でも何度か述べてきたように、管理職に求められているのはあくまでも「数字」です。そして数字は「仕事」と不可分である以上、あなたの最重要の仕事として、部下の仕事のチェックは必要不可欠です。ここに性善説が入り込む余地はありません。あなたは常に部下の仕事を疑い、なにかごまかしてはいないか、未達成の事柄はないかと細心の注意を払い続ける必要があります。そこまでやってあなたは管理職としての使命をまっとうしたことになります。