私が社長を務める武蔵野は、本社のある東京都小金井市に限っていうと、主力事業で実に85%ものシェアを握っています。有名なランチェスター理論をご存知の方なら、これがどれほどとんでもない数字であるかがご理解いただけるでしょう。これだけの占有率をもっているにもかかわらず私は、新規のお客様を獲得することにとてつもなく熱心です(既存のお客様を失うことにも、とても神経質です)。それは「5年で2割以上ものお客様がいなくなる」という危機感を持っているからです。85%のシェア(からあがる売り上げ)といっても、何も手を打たずにいれば10年ほどで半分以下になってしまいます。

 と、ここでこんな反論が出てくることと思います。「A社の事例も武蔵野の場合も、いわゆるBtoC(対消費者)型のビジネスをしている会社の場合だろう」「BtoB型(対企業)のビジネスの場合はまた話も違ってくるのでは」と。なるほど、おっしゃりたいことはわかります。

 でもちょっと考えてみてください。A社が倒産すれば、同社の店舗をテナントとして入れていた大家さん・不動産屋さんが売り上げを落とすことになりますね。同社に肉や野菜やらを納品していた業者だって無傷ではないです。それらを配送していた宅配業者だって売り上げの幾許(いくばく)かを落とすことになります……。

会社に余裕があるうちに「次の手」を用意しておく

 この世は「経済」という名の管でひとつにつながっていて、複雑な生態系のようなものを形づくっています。A社が倒産すればB社、C社…も業績を落とすし、逆にD社、E社…は売り上げを伸ばす。こういうことが毎日普通に繰り返されているのが私たちの住み暮らす社会です。対消費者、対企業といった業種業態にかかわらず、あらゆる企業は常に来たるべき未来を予測し、対策を打ち続けなくてはならないのです。それは、いってみれば社会があなたの会社にそう要請しているのです。

 社会を相手に戦うのは辛いです。姿が見えるようで見えない。正しい戦い方があるようで、ない。いつかは終わるようで、終わらない。しかしリーダーたるあなたに戦いを放棄することは許されません。あなたには「自分自身」という内なるライバルも存在している。

 今がいいからといって安心してはいけません。会社に余裕があるうちに二の矢、三の矢が必要です。会社が傾いてきてからその対策を取ることは難しいのです。

(構成:諏訪 弘)

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