しかし私は、部下にモーニングコールをしたり、時には車で迎えに行ったりする店長の話を初めて聞いたとき、苦々しく思うどころか、むしろ「よくやった」と感動しました。「それなり」の人材しかいない中小企業で、決めたことを何がなんでも守らせるためには、やはり低レベルなことを厭わずに徹底しなくてはなりません。徹底するとは、世間から見て「異常だ」と思われるくらいにやることです。

 朝、起きられない部下に「どうしてお前はそんなにだらしないんだ」「そんなことでは社会人失格だぞ」などと叱ったとして、そう簡単に彼の遅刻が止まると思いますか。あり得ません。それは先ほど述べたように「人」を管理することになるからです。

決められたことを守らない部下を見過ごしてはいけない

 であれば、たとえどれほど低レベルだろうが、モーニングコールをするとか迎えにいくとかして彼を定時に出社させるほうがずっといい。彼の自発的な心の変化を待つより、手段はどうあれ「定時出社」の形を整えることで自覚を促すほうが確実です。決められたことを守らない社員が一人でも見過ごされていると、組織全体の士気は著しく下がります。

 そこでわが社では、「部下に対しては、6回までは指示したうちに入らない」というルールを設けています。管理職が指示したことを部下が守らないと、普通の会社では部下の責任になりますが、わが社では「7回指示しなかった管理職が悪い」と判断します。つまり管理職たるもの、それだけ徹底して部下に指示を出し、決められたことは部下にはなにがなんでも守らせろと教えているのです。これすなわち「仕事」の管理そのものです。

 さすがにあなたの部下はそこまでひどくはないでしょうが、とにかく中小企業にあっては、とにかくしつこく「仕事」の管理をしなければ、部下は決して働かないと肝に銘じておいてください。

筆者が経営する会社・武蔵野では、部下が言われたことを守らなかったとき、7回以上指示していなかったら、上司が悪いということになる。(写真:ferli/123RF)
筆者が経営する会社・武蔵野では、部下が言われたことを守らなかったとき、7回以上指示していなかったら、上司が悪いということになる。(写真:ferli/123RF)

(構成:諏訪 弘)

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