管理すべきは「人」ではなく「仕事」。(写真:alphaspirit/123RF)

 私は、「管理職が徹底すべきは『人』ではなく『仕事』の管理だ」と話しています。とかく組織にあって、管理とは「人」を管理することのように受け止められがちですが、実はこれはとても危ない。人材の差配や評価に管理職の個人的な好悪が入るからです。単純な話、同じ仕事をし同じ成果を出しているのに、部下Aくんに対しては甘く、部下Bくんに対しては辛いのは不公平ではありませんか。

 そういうことが続くと、Bくんが仕事へのモチベーションを失います。そして遠からず退職ということになる。人が辞めれば、組織の雰囲気も暗くなりますね。私は以前、これからの中小企業の管理職は「いかに部下を辞めさせないか」が1つの評価軸になる、と当連載で申しました(2017年1月11日配信「『部下を辞めさせない』管理職が評価される時代」参照)。すなわち「人」を管理すると、他ならぬ管理職にとってもまったく好ましからざる事態を招くことになる。

 だから私は、わが社の管理職に強く戒めています。「『人』を管理しようとしてはいけない。あくまでも『仕事』の管理を徹底するのだ」と。本稿をお読みのあなたも、このことはよくよく心に刻んでおいてください。

店長にモーニングコールをされて起きる部下がいた

 仕事を管理するためには、2つのポイントがあります。1つは、あまり難しいことは要求しないことです。月に100万円を売り上げるのがやっとの部下に「今月は1000万円売ってこい」などと指示してはいけません。どうせ中小企業の社員は「それなり」の人材です。いきなり高度なことなど、できないですから。

 目安としては──そうですね、「前月比5パーセント増」くらいでしょうか。すなわち先月100万円売り上げてきた部下に対しては、今月は105万円を目標の目安にしておく。これくらいならあなたの指導と、部下の多少の頑張りでなんとかなります。ただし「12カ月連続で5パーセント増」となると、これは明らかに「高度なこと」になってしまいますから、適宜差配してください。

 もう1つ重要なことは、仕事の徹底のために必要ならば、低レベルで凡庸なことから徹底する労力を厭わないことです。

 私が経営している、武蔵野の例でお話ししましょう。