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管理職には避けて通れないのが「叱る」こと

 入社して数年も経てば、部下や後輩ができます。重要なプロジェクトのリーダーを任されることもある。そうなると絶対に避けられないのが「人を叱る」ことです。

 ところが、いざ叱るとなるとこれがなかなか難しい。職場の空気が悪くなったりはしないか。人間関係がぎくしゃくしないだろうか。そんな怖れが先に立って、つい言葉を呑み込んでしまう。「あとで自分がフォローすればいいや」などと考えて、ついなあなあで済ませてしまう…。よくあることです。

 私の連載は若い社会人のかたも読んでいると聞きましたので、ここで書いておきます。あなたは自分の上司を「本当にいつもがみがみとうるさい人だ」と感じているでしょう。しかし本当は彼は、もっと叱りたい、叱らなくてはと思っている。しかしそうすると、あなたがへそを曲げたりやる気をなくしたりするかもしれない。そう思って控えめにしている。彼はそういうジレンマをいつも抱えているのです。よく覚えておいてください。

 話を戻せば、叱らない・叱れないのは、管理職としては決して誉められた態度ではありません。たとえささいなミス、小さなルール違反でも、それを見逃すと組織にたるみが生まれ、ひいては会社全体を揺るがす大トラブルに発展するのも決して珍しくないです。「甘さ」と「優しさ」をしっかり区別しなくてはいけません。叱るべきときにはきちんと叱り、組織の手綱を引き締めるのは管理職の重要な責務です。

管理職は、叱るべきときにきちんと叱れ

 軋轢を怖れて叱責を忌避するのはコミュニケーションを放棄するに等しく、そしてコミュニケーションを放棄するのは管理職を放棄するに等しいと言えます。職責が高くなるほど、このことはいっそう強く意識して下さい。

 前回の当連載でご紹介したわが社の万年課長・Iくんの例ではありませんが、あなたはいつまでもいまの職責でいいとは考えてはいないでしょう。部長、本部長、そして役員と出世したいと願っているでしょう。そうであるならなおさら、叱るべきはきちんと叱れる管理職たらねばなりません。