「大統領就任前とまったく変わらなかった。TPP(環太平洋経済連携協定)や日本の自動車輸出など個別の話は一切なく、とにかく安全保障も含め、日米関係最重視の姿勢を強調していた」

 首脳同士の初めての電話会談で個別具体的な注文をつけなかったのは、儀礼上当然のことように思えるが、そうではない。ドイツのメルケル首相の電話会談では、トランプ大統領は貿易赤字を減らせと注文をつけたという。

トランプ大統領は、「予測不能」ではない

 メディアでは盛んに「予測不能」と形容されるトランプ大統領だが、それは明らかに違う。

 大統領令を連発して多くの人の怒りや絶望の原因を作っているとはいえ、それらはすべて公約通りだ。選挙キャンペーンで語り、大統領就任演説で明言したことをやっているにすぎない。

 「予測不能」なのではなく、公約を本当に実行することをメディアが予測できなっただけだ。個別の政策について賛否は当然あるだろうが、トランプ政権は言葉通りの“有言実行”なのだ。その意味では驚くほど一貫性がある。

オバマ政権の時にはありえなかったこと

 日米関係についても、話をもどそう。

 国家安全保障担当の大統領補佐官、マイケル・フリン氏は「日米関係重視がトランプ大統領の基本姿勢だ」と大統領選直後から日本側に伝えてきたという。

 「フリン大統領補佐官のカウンターパートである、谷内正太郎国家安全保障局長に『365日24時間、いつでも連絡をください』と、携帯電話番号とメールアドレスを連絡してきた。オバマ政権の時にはありえなかった。様変わりです」(安倍政権幹部)

 個別具体的な交渉の場面では、日米間で激しく利害が対立することもあるだろうが、少なくとも現時点において、安倍政権内には期待先行ムードが広がっている。期待は現実となるか。2月10日にワシントンで行われる日米首脳会談が注目される。