歴史と人生の不思議

 そして「源氏物語」は世界最古の長編物語のひとつとして、また日本文学史上に輝く名作として千年以上たった今も読み継がれているのです。

  

 しかし、もしも、藤原為時が除目(人事異動)のとき一条天皇に漢詩を贈らなかったら、どうなっていたでしょう。父親が官職に就けなかったことで紫式部の婚期が遅れたのですから、その後の結婚も、中宮彰子へ仕えることも、そして「源氏物語」を執筆することもなかったかもしれません。歴史も人生も不思議なものですね。

 不本意な人事異動には、自分の意志をしっかり上司に伝える努力はした方がいいのかもしれません。それが自分のためだけでなく、家族のため、ひいては日本の将来のためになるかもしれないのですから。

◆参考資料
   「今昔物語集 本朝世俗篇 (上) 全現代語訳」 (講談社学術文庫)
   「福井県史 通史編1 原始・古代」(福井県)
   「紫式部日記 現代語訳付き」 (山本淳子著/角川ソフィア文庫) など