「新しい元号は『平成』であります」と発表した故小渕恵三氏(当時は官房長官、後に首相)(写真:Fujifotos/アフロ)

 2018年は、実質的に平成最後の年になる。およそ30年間続いた「平成」とはどんな時代だったのか、ここで振り返ってみたい。

 1989年に昭和天皇が崩御され、平成の時代が幕を開けた。奇しくもこの89年という年は、世界的にも実に様々な出来事が起こり、大転換期にあったと言える。

 同年6月4日に、中国では天安門事件が起こり、11月9日にはドイツでベルリンの壁が崩壊した。ベルリンの壁崩壊を受けて、12月2日には米国のブッシュ大統領 とソ連のゴルバチョフ書記長によるマルタ会談が行われ、米ソ冷戦の終結を宣言した。

 日本では不動産バブルがピークに達し、89年12月の日経平均株価は3万8957円を記録した。

 この年、僕には非常に悔しい思いをした出来事があった。当時、僕は「今の景気は泡のようなものだ。近い将来、完全に落ち込むだろう」と考えていた。日本の地価はうなぎ登りに上昇し、「日本を売れば、米国が買える」とまで言われていた時代だ。こんなものは嘘っぱちではないか、と感じていたのだ。

 「日本の震撼」というテーマで、文藝春秋で記事を書くことにした。8カ所のシンクタンクを回り、この景気について専門家に尋ねた。

 どのシンクタンクも、「今の状態は、『虚』の景気ではない。『実』の景気だ」と主張した。さらには、「今の状態を『虚』の景気だと言えば、あなたのジャーナリスト生命は危うくなりますよ」という言葉まで投げられた。

 それでも疑念は消えなかったが、僕は、最後の最後で「虚の景気」だと言い切れずに、曖昧な記事を書いてしまった。今でも残念に思う。

 その2年後、実際にバブルが崩壊した。100兆円規模の不良債権が発生し、日本は「失われた20年」に突入していったのである。

 日本は長期低迷が続き、深刻なデフレに陥った。デフレから脱却するために打ち出されたのが、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」である。

平成は、グローバリズムから始まった

 平成の時代を語る上で、もう一つの大きなキーワードは「グローバリズム」である。

 80年代、米国のレーガン大統領と英国のサッチャー首相が、あらゆる規制を緩和する経済政策を打ち出した。いわゆる、「レーガノミクス」「サッチャリズム」と呼ばれるものだ。