トランプ氏は、孤立を恐れていない。元々トランプ氏は米国至上主義を掲げ、世界から孤立しつつあったが、それを自らのリスクと考えていないのだ。

 自分の支持者だけが喜べばいい。他国から批判されても関係はない。だから結局、世界中から批判されても無茶なことをやり続けている。

最も困っているのは、安倍首相だ

 このように米国が世界から孤立する中で、最も困っているのは安倍晋三首相だと僕は思う。日本国民にとっても、トランプ氏の行動は理解し難いものである。日本のメディアもトランプ氏の決定は間違いであると批判的に報じている。

 安倍首相も、表向きには米国批判はしていないが、本音としてはトランプ氏の決断は不適切であると思っているだろう。

 しかし、安全保障で米国に依存している日本は、トランプ氏を批判することができない。とは言え、もしここで安倍首相がトランプ氏に賛成であると発言してしまったら、中東諸国からの日本に対する批判や反発は避けられない。

 中東諸国の中でもサウジアラビアなどは石油生産の主要国であり、日本も同国に依存している。下手をすれば、日本に石油危機が訪れる恐れがある。だから日本は、中東諸国とも友好関係を維持しなければならないのである。

 おそらく、12月中に河野太郎外務大臣が中東諸国を訪問し、各国首脳に「日本は絶対にあなた方の味方だ」と伝え、信頼関係を改めて確認するのではないかと思う。

 日本の弱点はトランプ批判ができないところである。僕は、これは日本の大問題だと思う。一種の対米従属である。

 一部の新聞が、「トランプ氏の決断は間違っている」と主張している。それは理解できるが、では、米国に批判もできない日本はどうすればいいのか。どのような立場をとれば良いのか。その点については何も触れていない。

 安倍首相が今後、どのような姿勢を示すのかは分からない。安全保障でも、北朝鮮問題でも、米国に頼らざるを得ない日本は、トランプ批判ができないのである。ここが日本の大問題である。

 非常に難しい立場に置かれている今、日本はどのように在るべきかを問われている。対米従属のままでいいのか。あるいは自立の道を探るのか。それは現実的に可能なのか。大変難しい問題だが、いつまでもタブーのまま触れないわけにはいかないのだ。