みずほフィナンシャルグループは3メガバンクの中で最も大規模なリストラ策を発表した

 このところ、新聞各紙が一斉に「銀行の危機」を報じている。10月下旬から、みずほフィナンシャルグループ、三菱東京UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループの3メガバンクが大規模なリストラを相次いで発表したからだ。

 みずほ銀行は、2026年度までにグループの従業員数を1万9000人削減し、現在の約7万9000人から6万人にするという。削減数は、今後はもっと増えるのではないかとも言われている。さらに店舗も統廃合し、現在約500拠点ある店舗数を2024年度末までに約100拠点も減らす見通しだ。

 三菱東京UFJ銀行も、国内にある約480店舗のうち1~2割の統廃合を検討している。業務を見直し、現在約3万人の従業員の3割に当たる9500人分の業務を削減するという。

 三井住友銀行も、2020年度までに4000人分の業務を削減すると発表した。

 なぜ、メガバンクは大規模なリストラを検討しなければならなくなったのか。きっかけは、低金利による収益の低下だった。日銀のマイナス金利政策の影響で融資金利が下げ止まらず、利益が稼げない。

 そのうえ、コストの高い店舗や人材を維持していることで、利益率が悪化しているのである。

 最も深刻なのは、そもそも企業の資金需要が減っているという点だ。銀行の大きな役割の一つに、企業への融資がある。ところが、日本は「成長の時代」が終わり、「成熟の時代」に突入した。

 足元の景気は今年9月まで拡大期間が58カ月となり、高度成長期の「いざなぎ景気」を超えた。日経平均株価も節目の2万3000円を26年ぶりに突破した。だが、日本の多くの経営者は「先行きが明るい」とは全く思っていない。東京五輪が開催される2020年あたりまで好景気は持続するかもしれないが、その後は急速に悪化するのではないかと懸念しているのである。再びデフレに陥る可能性も囁かれ始めた。

 しかも、日本は人口減少が進んでいる。国内市場は縮小の一途をたどることは間違いないのである。だから、日本の経営者たちは積極的に設備投資をしない。業績が良くても、賃金を上げようとしない。実際、実質賃金は減少している。

 その結果、企業の内部留保は400兆円を超える規模にまで拡大した。そのため将来の成長に向けた設備投資に消極的となり、銀行の融資が伸びにくくなってしまった。しかも低金利で、ますます利益が稼げない。銀行は今、構造改革待ったなしの状況に追い込まれたのである。

 そこで各行は、デジタル化によって業務効率の改善に舵を切った。AI(人工知能)によって銀行員の事務的な業務の多くが自動化できる。インターネットの普及によって、店舗の数も減らすことができるし、営業の仕事も相当削減できるだろう。