北方領土2島返還は、実現する可能性が高まっている

 G20の期間、日本にとっての目玉の一つが日露首脳会談だった。会談を経て、北方領土の問題において、両国の外務大臣が担当して協議を重ねていくことが具体的に決定した。

 安倍晋三首相は、「安倍・プーチン」の時代に北方領土問題を解決したいと発言している。「2島プラスアルファ」を主張しているが、僕はこれが実現する可能性は高いとみている。

 プーチン大統領は、「2島は返還するが、主権は譲らない」と主張している。このあたりはこれまでにも述べたがーーロシアとしては主権を日本に譲れば、日米地位協定によって米軍が2島に進駐することになるからである。これはプーチン大統領としては絶対に許せないことだ。

 ただし、この点については、安倍首相とトランプ大統領との間ですでに話し合いが行われたといわれる。安倍首相はそこで相当な手応えを得ているからこそ、プーチン大統領に「2島プラスアルファ」を主張できたのではないかと思う。すると、19年1月に開催の日露首脳会談では、北方領土の話がかなり具体化される可能性が高い。

 しかし、日本のメディアは「具体化は難しいだろう」と否定的に見ている。それはロシアを信用していないからだと思う。

 問題の背景について、理解していない人が増えているようだ。例えば、鳩山一郎内閣の時代、1956年に日ソ共同宣言が発せられ、ここで「2島プラスアルファ」について話し合われた。しかし、この話は中断してしまった。理由はほかでもない。米国が反対したからである。

 当時は冷戦の真っ只中であり、米国とソ連は徹底的に対立していた。ここで日本がソ連と友好関係を築くなどということは、米国にとってはとんでもない話だったのである。今や米ソの冷戦は終結しており、これが解決に向けて前進するとみる理由の一つだ。

 もう一つはロシア経済の悪化だ。今、ロシアは深刻な不況に陥っており、プーチン大統領の支持率も落ち込んでいる。従ってロシアとしては、日本の経済協力が不可欠だととらえている。プーチン大統領としては、2島の返還はやぶさかではない。

 以上の点を考えると、僕は、2島プラスアルファの実現の可能性は高いと思う。もしこれが実現すれば、安倍内閣の支持率は大幅に上がるだろう。

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