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来年7月に控える参議院選挙に安倍首相はどう臨むか(写真:AP/アフロ)

 11月30日から12月1日にかけて主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開催されたアルゼンチンの首都ブエノスアイレスにて、米中首脳会談が行われた。

 「新・冷戦」と呼ばれるほど溝を深めている米中関係はこの先、どうなるのか。今年7月以降、米国は3度にわたって中国からの輸入品に制裁関税を課してきた。これに対し、中国も米国からの輸入品に追加関税を課している。この貿易戦争に歯止めがかかるのか、世界中から注目されていた。

 米国のトランプ大統領は、2018年9月から5745品目、金額にして約2000億ドル相当の中国製品に10%の追加関税を課しているが、19年1月1日から追加関税の上乗せ税率を25%に引き上げようとしていた。しかし、今回の首脳会談で、90日間の留保が決まった。

 一方、中国は、米国から相当量の農産品、エネルギー製品、工業製品を輸入することに合意した。90日間の留保期間中、米中首脳は、強制的技術移転、知的財産の保護、非関税障壁、サイバー攻撃、サービス・農業の5分野について交渉を開始することが決まった。

 つまり、米中関係の悪化は「少し先送りになった」といえる。日本のマスメディアは、これらの合意について評価しながらも、交渉は90日間で終わらず、やはり両国の関係が悪化してゆくのではないかと懸念している。

 米国としては、貿易問題のみならず、中国の覇権の拡大を危惧している。今年10月18日の中国共産党大会で、習近平国家主席は21世紀半ばまでの長期構想を発表した。49年までには、経済力でも軍事力でも米国を引き離すという内容だ。米国にとって、これは絶対に認められない話である。

 中国は、国際法を無視し、南シナ海の軍事化を推し進めている。これもどうなっていくのか、世界中が注目している問題である。