
日本企業の不祥事が次々と明るみになっている。11月28日には東レの子会社が検査データを改ざんしていたという不祥事が発覚した。東芝、日産自動車、神戸製鋼所、スバル、三菱マテリアル、そして東レと日本を代表する大企業で、なぜこんなにも不正やインチキがまかり通るのか。
中でも大きな話題になった東芝の粉飾決算は、何年間も続けられていたという。こんな不正は、役員が見ればすぐに分かるはずだ。なぜ、社内の人間は「こんな不正は止めよう」と言わなかったのだろうか。
さらにひどいのは、監査法人までがグルになっていた疑いがあることだ。監査法人というものは、問題を指摘するチェック機関である。その監査法人が不正に荷担すれば、存在する意味などない。
昔、山本七平という評論家が、「日本は空気の国だ」と言ったことがある。日本には、「空気を乱してはいけない」という風潮があるということだ。つまり、不正が起こっても、社内で「粉飾決算をやめよう」と声を上げれば、逆に左遷させられてしまう。こうして馴れ合いが腐敗に繋がるというわけだ。
東芝の粉飾決算で深刻な点は、ほかにもある。検察までもが馴れ合いになっていたということだ。東芝の不正を立件しない検察に対し、証券取引等監視委員会の佐渡賢一委員長が激怒したと報じられた。
粉飾決算を続けていた期間に東芝では社長が3人交代したが、いずれも逮捕に至っていない。堀江貴文氏が、1度の粉飾で2年8カ月の実刑を受けたライブドアの事件と比べると、理解し難い話である。検察は何をやっているのか。
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