入管法改正案の成立は、来年の参院選の後にすべきだ

 どうも、自民党もそのあたりのことをしっかり調査していないようだ。入管法改正案を担当しているのは、法務省である。法務省は、現場を何も見ていない。現場に詳しいのは、厚生労働省や経済産業省である。そのあたりの連携はできているのだろうか。

 実際のところ、法務省は実態を把握していないのではないだろうか。厚労省も経産省も見通しを立てるのがこわいため、法務省としっかり議論していない可能性が高い。見通しが大きく狂えば、大きな責任問題になりかねない。マスコミも実態は分かっているだろうが、具体案を示していない。

 僕は、与党だけでなく野党もそういった事情は把握していると思う。しかし、与党に反発するばかりで対案を持っていない。

 では、どうすべきか。5年後には145万人の人手が不足することは間違いないわけだから、少なくとも今後数年間は外国人労働者の受け入れを拡大せざるを得ないだろう。その先は柔軟に対応できる方法も探るべきだ。

 僕はこの法案については時間をかけて議論すべきだと思う。19年4月の施行を目指すなどということは、やめた方がいい。

 与党の思惑としては、早めの成立を目指さなければ、19年7月に控える参議院選挙に影響すると懸念しているのである。しかし、僕は、むしろ参議院選挙の後に、十分議論を重ねた上で入管法改正案を決めるべきだと考えている。
   毎日新聞が11月17、18日に実施した全国世論調査では、外国人労働者の受け入れ拡大の方針について、「賛成」は44%、「反対」は42%という結果が出た。賛成の方がわずかに多い。今国会で成立を目指す入管法改正案については、「今国会での成立にこだわらず議論を続けた方がよい」と答えた人は66%、「今国会で成立させた方がよい」は9%、「廃案にした方がよい」は11%となった。

 つまり、入管法改正案自体には賛成しているが、もっと議論に時間をかけるべきだと考える人が多数であるといえる。政府案に反対が多いわけではない。成立を急ぐのは危険だ、ということである。

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