米国では、トランプ米政権によるトランスジェンダーの排除が検討伝えられると、米国民はそれに反発。特に女性たちが過敏に反応し、民主党に投票したのである。

 これによって、女性議員が多数当選。上院、下院、会わせて過去最多となる計113人女性議員が当選を果たしたのである。その中には、史上初となるネイティブアメリカンやイスラム教徒も含まれている。

 下院で民主党が勝利した3つ目の理由は、若者の投票率が上昇したことである。日本でも米国でも若者の投票率が低い傾向があるが、今回の中間選挙では、若者も強い関心を持ったようだ。

 彼らは、トランプ氏のあまりにも反民主的な言動、例えばマスメディアに対し敵対するような発言等に対する危機感があったようだ。

ねじれ議会でも、トランプ氏の政策は変わらない

 下院で民主党が勝利し、ねじれ議会となった今、トランプ氏の打ち出す政策はどう変わるのか。

 外交は上院が実権を握っているため、この部分に関しては方針が変わることはそれほどないだろう。

 米国にとって外交の一番の問題は、米中貿易戦争である。先日、ペンス副大統領はワシントンでの公演で、痛烈な対中批判をし、「新冷戦」宣言をしたと報じられた。米中はすでに貿易戦争から覇権戦争に発展しているのである。

 この米中戦争については、トランプ氏のやり方に批判的な米議会および民主党も賛成しているのである。米中対立は「オールアメリカ」の意志なのである。

 中国の習近平国家主席が発表した「中国製造2025」の構想に対し、米国の反発は強い。そもそも「中国製造2025」とは何か。中国が25年までに製造強国の仲間入りをし、35年までには製造業のレベルを世界の製造強国陣営の水準まで押し上げる。つまり、米国に追いつくということだ。そして49年までには、経済力、軍事力を含めた総合力で世界のトップクラスの地位につく、というものだ。

 これは、米国にとっては絶対に認められないことである。従って、トランプ氏による米中対立の路線は、変わることはない。

 問題は、内政である。内政については民主党が力を握っているため、共和党は非常に不利である。となると、トランプ氏の内政政策は変わらざるを得ないとの見方が強い。

 ところが、米中対立の話にもつながるが、トランプ氏の「米国第一主義」については、民主党も実は反対ではない。共和党と足並みをそろえている。ここに関しても、民主党からトランプ氏に対抗する政策が出るとは思えない。

 さらに、トランプ氏が非常に強調している「移民反対」についても、民主党は反対しているわけではない。強硬的な移民政策について批判をすることはあるが、民主党も、移民の流入は阻止したいと考えている。

 米国に限らず、欧州各国もイスラムからの難民・移民に相当苦しめられている。英国がEUから離脱した最大の理由は、難民・移民である。オランダやフランス、イタリアでも、難民・移民に反対する極右政党が勢力を伸ばしている。難民や移民に対して寛容で、EUの理想を実現したいという中心的人物でもあるドイツのメルケル首相も、失脚となった。世界的に、移民・難民の問題は深刻化しているのである。

 話を米議会に戻そう。「米国第一主義を貫き、国内の雇用を増やす」という政策のほか、国民の生活を支えるための減税の実施も、民主党は賛成している。

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