しかし、北朝鮮はその間も密かに核開発を進めていた。2006年10月には核実験に踏み切ったのだった。

金正恩も祖父、金日成と同じ目標に向かっている

 実は、金正恩の父、金正日が核開発を進めたのは、「抑止力」という思惑だけではないと言える。その父・金日成の「朝鮮半島統一」という目標を実行するためだという見方があるのだ。

 金日成の目標を遂げるためには、核兵器を持たざるを得ない。だからこそ、6カ国協議を裏切り、核開発を進めていた。となると、金正恩も同じ目標に向かっていると考えても不思議はない。

 米朝どちらも譲らないのであれば、中国の動向によっては、米国の武力行使の可能性は高まることになる。となると、もし米国が武力行使に踏み切った場合、日本はどのように協力するのかという点が問題になる。

 ところが、今回の日米首脳会談では、その話が全く出てこなかった。日本が北朝鮮から報復攻撃をされる可能性についても触れられなかった。日本のマスメディアもほとんど触れていない。

 日本はミサイル迎撃システムを配備しているが、それらがすべて完全に機能するとは言えない。僕は、かつて防衛省の幹部にその成功率を尋ねたところ、回答を避けられてしまった。日本のマスメディアは、米国の武力行使に対する危機感をもっと強めるべきである。

 トランプ氏は、韓国の国会での演説で北朝鮮に対し、「我々はよりよい将来のための道を与える。そのための条件は弾道ミサイル開発の中止、確認できる完全な非核化だ」と述べたうえで、「アメリカの都市が破壊の脅威にさらされるのを認めるわけにはいかない」と武力行使の可能性をちらつかせた。

 米国と中国の間での着地点を見出せるのだろうか。中国メディアによると、習氏は「北朝鮮問題などで協力を強化し、中米関係をさらに発展させたい」と述べたそうだ。額面通りには受け取れないが、米国と中国そしてロシアの出方が北朝鮮、日本、韓国の未来を大きく左右するだろう。