一方で、空気を読まず、批判を恐れず、はっきり自分の主張をする若者も出てきている。研究者の落合陽一氏、社会学者の古市憲寿氏らがそうだ。年齢はやや上になるが、実業家の堀江貴文氏もそんな人物だ。

 僕は定期的にベンチャー企業の社長にインタビューしているが、おおむね共通する点として、彼らは一度大企業に入り、数年経って退職し、起業している。やはり、彼らは大企業に入り、「空気を破りたい」と感じて起業したのだろう。

 僕は、こういう若い世代に大いに期待をしている。

「何がしたいのか」を明確に持っている

 空気を破る彼らと、空気を読む大企業との違いは何だろうか。それは、彼らには「何がしたいのか」ということを明確に持っている点だ。話しているとすぐに分かるが、こうした若者は非常に前向きである。

 一方で、高齢者層や大企業はネガティブな思考を持つ傾向がある、と感じる。世の中の悪い部分に目を向け、先行きを悲観しているのである。これでは、日本に明るさを見出すことはできないだろう。

 僕も高齢者層に含まれるが、大企業特有のネガティブな思考は持ち合わせていない。前向きな若者世代の方が、シンパシーを感じるところがある。その理由はなぜかと言えば、これまでの経歴に救われたところがあると思う。

 大学在学中、ジャーナリストを志望していたから、僕はNHKや朝日新聞などのマスコミへの入社を希望していたが、軒並み落ちてしまった。ようやく11社目にして合格したのが、岩波映画製作所だったのである。

 もし、ここで大手マスコミに入社していたら、僕は定年まで勤め、空気を読む思考に染まっていたかもしれない。

 その後、東京12チャンネル(現テレビ東京)に入社した。開局したばかりのテレビ東京は、世間からの評価が低く、制作費も安かった。どこでどうするか。僕は、TBSやNHK、日本テレビにできない番組を作ろうと考えた。

 テレビ東京のポジションを逆手に取り、過激な題材を積極的に採用して、タブーを無視する番組を作り続けたのである。こういったチャレンジは、どのような状況下でも悲観せず、ポジティブに行動することにつながっていったと思う。

 今でも、僕が司会を務める「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日)には、タブーはない。どんな大物政治家に対しても、遠慮なく反論している。