「今がチャンスだ」と解散総選挙に踏み切った安倍晋三首相だが、その後、いくつかの誤算が生じてしまった。

 安倍首相が解散を表明したその日、小池百合子東京都知事は国政新党「希望の党」を立ち上げ、自らが代表に就任すると発表した。その瞬間から、メディアもインターネットも小池一色に染まり、安倍首相の存在は一気に霞んでしまったのだった。その「小池劇場」も先を見通せない状況だが、依然として主役は小池氏である。

小池旋風で希望の党はどこまで票を伸ばすだろうか(ZUMA Press/amanaimages)

 小池氏は、非常にカリスマ性を持った人物だ。存在自体が「ビジョン」になってしまう。その証拠に、7月2日の東京都議会選挙では、名前も知られていない、どういう人物かも分からない、実績もない人たちが「都民ファーストの会」の候補者になり、ただ小池氏に率いられるという理由だけで49人も当選してしまった。一方、自民党57議席からは23議席に激減。都民ファーストが圧勝した。

 当時、小池氏は、東京都をどうするのかといったビジョンや政策らしいものは何一つ示していなかった。まさに小池氏の存在自体が大きなビジョンになっていたと言える。

 その小池氏が、希望の党の代表になるということで、安倍首相は非常に脅威を感じたと思う。

 さらにその翌日には、民進党の前原誠司代表が小池氏と極秘会談し、民進党を解党して希望の党に事実上の合流をすると約束した。これがメディアで報じられると、小池旋風は非常に大きな流れとなった。

 今まで「一強他弱」と言われた安倍自民は、4度の選挙でいずれも大勝している。国民は安倍自民に不満を持っていたが、「受け皿」がなかったからだ。ここで民進党が希望の党に合流すれば、非常に大きな受け皿になる。