僕は、結果からすれば、玉城氏が勝利してよかったと思う。もし、与党が推す候補者が勝っていたら、安倍氏はますます気を緩めて尊大になっただろう。沖縄知事選で負けたことで、今後は沖縄に対して慎重に、丁寧にやらなければならないと理解したと思う。
今回の与党敗北を受け、野党はこれから勢いを増すだろう。来年の参議院選挙では、野党が一本化に成功すれば、勝つ可能性がある。野党が参院選で勝利すれば、安倍氏は失脚する。そうなったとき、次にトップに立つのは石破茂氏だろう。青木幹雄氏は、ここを読んでいる。参院選で野党が勝利するかどうか。ここが石破氏にとって分岐点となるだろう。
内閣改造で安倍首相の「器」が示された
第4次安倍改造内閣と自民党の新役員が発表された。新内閣に石破派は1人。総裁選で石破氏を支持した竹下亘氏は総務会長をはずれた。僕はこの人事で安倍氏の器の大きさが示されたと思う。
憲法改正について安倍首相は、今度の国会で憲法改正を打ち出したいと言っている。それでも安倍氏は、憲法改正で自衛隊の在り方を変える気は全くない。ところが、安倍氏の周囲には、「次の憲法改正はきっかけであって、何度でも変えてゆく機会はある」と主張する声がある。となると、自衛隊の在り方を段階的に変えていく可能性があるだろう。
一方で、どの新聞の世論調査でも、憲法改正に「賛成」の比率は低い。それでも憲法改正を本気でやるつもりであれば、自民党の議員たちは皆、自分の選挙区で必死になって、憲法改正の必要性について訴え続けるべきである。
ところが、ほとんどの議員が憲法改正の説明から逃げている。触れてさえいないのである。多くの議員たちは、憲法改正に触れると選挙に勝てないと思っている。
言い換えれば、自民党議員たちが言及をおそれて何も言えないような憲法改正を、本当に実行できるのか。やるのであれば、各議員は懸命にその必要性を訴えるべきだ。
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