本当の「大義」は北朝鮮問題だ

 問題は、安倍首相だ。

 先にも触れたように、支持率の回復や森友・加計疑惑隠しなどの思惑もあるだろうが、早々に解散する必要はない。「消費増税の使い道を問う」と訴えているが、元々、消費増税もその使い道も決まっていたわけだから、わざわざ国民に真を問う必要もないはずだ。

 やはり一番大きな理由は、北朝鮮問題だ。具体的には、11月に控えるトランプ・習近平会談を睨んでいるのだろう。

 ここでは、北朝鮮に対する制裁内容が議論される。例えば、中国が北朝鮮に対して石油製品の輸出を禁止するなどの強硬措置を取るかどうか。具体的な方針が決まるだろう。

 もし、米中で合意できなければ、早ければ12月、あるいは来春にも米国が武力行使に踏み切る可能性が高まる。

 安倍首相は、その前に選挙をして体制を整えたいと思っている。万が一、日本が北朝鮮からミサイル攻撃された時、米国と組んでどのように迎撃するのかを考えなければならない。そこで、もっと強硬な体制に整えたいという意図があるのだと思う。

 野党やマスコミは「軍備拡張だ」と言って反対するだろうが、実際に日本にも被害が及ぶ可能性があるならば、早急に手を打たねばならない。

 今のままでも体制は整えられるのでないかとの見方もあるが、もし、任期まで全うすれば、「追い込まれ解散」になってしまう。そうなれば、自民党は必ず負ける。それを避けるためにも、「今」というタイミングなのだと思う。

 特に麻生太郎氏は、自身が首相だった2009年7月に追い込まれ解散で政権を失った苦い経験がある。そこで「早く選挙をやった方が良い」と安倍首相に助言したという背景もある。