安倍首相とロシアのプーチン大統領が9月10日に首脳会談(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 9月20日投開票の自民党総裁選で、石破茂氏は予想を大きく上回る健闘をしたと思う。僕は、石破氏は地方党員票150票を獲得できれば健闘と言えると考えていた。それが実際は全党員票の45%にあたる181票を得た。これは大健闘である。

 議員票も同じだ。石破氏の議員票は50票超と予想されていた。しかし、ふたを開けてみれば73票を獲得。こちらも予想を大きく上回った。

それでも今回の総裁選は投票前から結果が見えていた

 なぜ、石破氏は予想を上回る票を獲得したのか。やはり、これは自民党内部にも安倍晋三首相に対する不満や不信感が募っているからだと思う。表面化しているわけではないが、内側では不満が拡大しているのだろう。

 この結果を経て、自民党はどう変わるのか。今の自民党は、安倍首相のイエスマンで多数が占められ、森友・加計問題のような不祥事が起こっても内部から反論の声すら出て来ない。論争がなくなってしまったのである。

 さらに言えば、野党が弱いことも相まって、もはや周囲はほぼ全て安倍首相のイエスマンとなっている。本コラムでは何度も指摘しているが、こういった構図から安倍首相をはじめとする自民党議員たちの神経が緩み、数々の問題が起こってしまった。いわば、自民党の劣化である。

 石破氏が健闘したのは確かだが、今回の総裁選は投票前から結果が見えていた。

 安倍首相の勝利は確実だった。特に議員票は、安倍首相に極めて有利だったといえる。国会議員は、できるだけ早く党の役員や大臣のポストに就きたいから、安倍首相に気に入られたいと考える。だからこそ安倍首相のイエスマンになっているし、今回の総裁選でも安倍首相は議員票を多数獲得した。