世界中が温暖化に危機感を抱いている

 このままでは地球上が大混乱に陥ることは間違いない。

 世界各国は、この問題を深刻に受け止めている。15年12月12日、第21回気候変動枠組条約締約国会議が開催されたパリで、「パリ協定」が締結された。先進国や発展途上国という枠組みを超え、すべての国が参加することになった。

 これは20年以降の地球温暖化対策の国際的枠組みを定めた協定で、世界の平均気温の上昇を2度未満に抑えることを目標に掲げている。

 気温上昇を2度以下に抑えるためにはどうすればいいか。気温が上がる原因は二酸化炭素などの温室効果ガスである。そこでパリ協定では、21世紀後半には温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指している。発電は火力に頼るのではなく、再生可能エネルギーを拡大させようとしている。

 また、17年9月10日には、ローマ法王フランシスコが「気候変動に対処しなければ、人類が滅亡する恐れがある」と発言した。世界中が危機を感じているのである。

 ところが17年6月1日、トランプ米大統領はパリ協定を離脱すると正式に表明。世界中で最も二酸化炭素を排出しているのは米国と中国である。その米国がパリ協定を離脱することで、大騒ぎになった。

 ただし、学者たちによると、トランプ大統領はパリ協定を離脱したが、米国企業や産業は規定を守っているという。米国民はこのルールを守らなければ米国は崩壊すると考えているからだ。反発したのはトランプ大統領だけであり、社会の動きは全く異なっているのである。

 それでも事態は楽観できない。米国科学アカデミーの非常に権威のある学術雑誌が8月、「地球温暖化はもう手遅れかもしれない」と報じた。

 このままでは今世紀末に向けて気温は4.8度上昇してしまう。これを抑えるためには、石油や石炭を使わず、温室効果ガスを削減するしかない。

 世界は再生可能エネルギーと原発で需要量の90%を賄おうとしている。日本では、現在のエネルギー政策を進めた場合、30年に再生可能エネルギーが全体に占める割合が23%と予測されている。これは世界的にみても低い水準である。しかも原発再稼働までの道のりは遠い。火力発電に頼れば二酸化炭素の排出量は削減できない。一体、どうするのか。

 二酸化炭素の処理は海底に埋め込む試みなど、様々な対策が練られている。温室効果ガスの削減技術を、これからどれだけ開発できるのか。深刻な戦いとなっている。

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