17年の都議選、衆院選が尾を引く

 もう1つ、大きな問題がある。自民党は、絶対に東京五輪を小池百合子都知事にやらせたくない、と考えていることだ。

 20年に控える都知事選挙において、自民党は小池氏を潰そうとしているのである。なぜそんなことをするのかと自民党幹部たちに問うと、次のように答えた。

「小池氏が都知事になったこと自体はいい。しかし、17年の東京都議会議員選挙で都民ファーストの会を立ち上げ、しかも公明党まで抱き込んで、自民党は惨敗という結果となった。自民党からすれば、これは裏切りである」

 幹部らの話はさらに続いた。

「百歩譲って、都議会議員選挙は地方選挙であるから仕方がないところはある。しかし、その後、小池氏は国政新党『希望の党』を創設し、自らが党首となろうとした。つまり、国政に進出しようとしたのである。小池氏は明らかに総理のポストを狙っていた。これは考えなければならない」

 17年10月22日の衆議院選挙では当初、自民党は負けるだろうとみられていた。僕は自民党の幹部たちに、「もし230議席を切ったら、安倍首相は持たないだろう」と話していた。では、次は誰にすればいいのか、という相談まで出ていたのである。

 小池氏が希望の党を立ち上げ、自ら代表になると表明した直後、マスメディアは小池一色と化し、安倍首相の存在はその陰に隠れてすっかり霞んでしまったのだった。

 このとき民進党の前原誠司代表は小池氏と秘密会談を行い、希望の党と民進党は事実上の合流を決めた。前原氏は、小池氏のカリスマ性に乗っかることで、反自民の受け皿となり、自民党に対抗しようとしたわけだ。

 前原氏は当然、民進党の議員全員が受け入れられると考えていた。小池氏も承諾していたはずだ。だから、前原氏は民進党員の前で「名を捨てて、実を取る」と発言したのだ。

 ところがその直後、小池氏が「民進党を全員受け入れる気はない」と言い出した。要するに、リベラルは受け入れないということだ。小池百合子氏が「排除の論理」を持ち出したことで大きく風向きが変わった。

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