小池氏は都知事として五輪を迎えられるか(写真:つのだよしお/アフロ)

 2020年に控える東京オリンピック・パラリンピックについて、様々な議論が飛び交っている。大きな問題は4つだ。

 1つは、「なぜ東京なのか」という理由付けができていないことだ。大会組織委員会でも、その点が分からないという声が上がっている。

 日本での開催はこれで2度目となる。第1回目は1964年。この時の開催目的は、世界に向けて「日本は再び一人前の国になった」とアピールすることだった。太平洋戦争後、日本は焼け野原から復興を始め、経済を建て直し、ようやく自立したことを伝えたかったのである。

 では、20年の五輪はなぜ東京で開催するのだろうか。専門家たちに話を聞くと、皆、一様に「理由づけがない」と答えた。

 東京五輪開催に力を注いだ元東京都知事の石原慎太郎氏や元副知事で後に知事も務めた猪瀬直樹氏は、「東京が活性化することによって日本がよくなる」と考えていた。しかし、今は「地方創生」の時代である。むしろ東京一極集中が疑問視されているのだ。その点を考えるならば、東京以外の地方都市で開催すべきだったのではないか。

 2つ目は、なぜ猛暑の夏に開催するのか、という問題だ。今年の夏を振り返ると、連日35度を超える日が続き、熱中症で救急搬送される人、あるいは亡くなる人も相次いだ。

 1964年の東京五輪は、10月に開催された。涼しい季節だったから問題はなかったのである。しかし、20年の開催日は、猛暑の真っ只中である7月下旬から8月にかけての期間だ。

 なぜ、この時期に開催するのか。理由は驚くべきものだ。米国のテレビの中継枠が比較的、夏は空いているからである。つまり日本の都合ではなく、米国の都合なのである。米国は日本に対して夏の開催を要求し、日本はそれを飲んだというわけだ。まさに対米従属である。

 予定通りに2020年の夏に五輪を開催すれば、熱中症で倒れる人が続出するおそれがある。そこで、組織委員会会長を務める森喜朗氏が、開催期間中の暑さ対策としてサマータイム(夏時間)の導入を安倍首相に要望した。この期間のみ、時計の針を2時間早めるというものである。当然のことながら、国民から大反対の声が上がった。

 僕が小学生の頃、終戦直後に健康や省エネを目的にサマータイムが導入されたことがあった。しかし、結局は4年ほどで廃止されてしまった。日本では一度失敗しているのである。

 専門家たちの間からは、熱中症患者の続出により東京五輪は大失敗に終わるのではないかとの意見が上がっている。

 3つ目は、スポーツ界で不祥事が相次いでいる点である。日大アメフト部のタックル事件、女子レスリングの指導者のパワハラ問題、日本ボクシング連盟会長の不正を糾弾する告発問題、体操女子のパワハラ問題等、枚挙に暇がない。

 なぜ、次から次へと問題が起こるのか。今までスポーツ界が、上の言うことを聞いて我慢を重ねるという慣習が続いていて、そのうみが噴き出したのではないかと思う。