「入社試験時、一次試験では女性が圧倒的に強い。優秀な女性をいかにして落としていくか。それより劣る男性をいかにして合格させていくか。ここに非常に苦労している」。まるで、東京医科大学の話である。

 僕は、東京医科大学を痛烈に批判するマスメディアの様子を見て、当時の幹部らの話を思い出してしまった。人のことを言えないではないか、と腹立たしく思ったものである。企業は女性社員、女性管理職を増やそうとしているようだが、まだまだ少ないのが実状だ。

広島、長崎への原爆投下とフーヴァー元米大統領の著書

 二つ目のテーマは、原爆と終戦だ。8月6日、米国による広島原爆投下から、73回目の「原爆の日」を迎えた。

 原爆が投下された日本ではあるが、日本政府は、核兵器の製造・使用・保有を全面的に禁止する核兵器禁止条約への加入を拒否している。

 20年程前に、中曽根康弘元首相、米国の元国務長官ヘンリー・キッシンジャー氏、ロシアのゴルバチョフ元大統領が東京で一堂に会し、シンポジウムが行われた。僕が司会をした。その中で、僕はキッシンジャー氏に「米国は、広島と長崎に原爆を投下し、戦争に無関係な一般市民20万人の命を奪った。これについてどう思うか」と尋ねた。

 すると彼はしばらく考え、「もしあの時、米国が原爆を投下しなかったら、日本は本土決戦に突入しただろう。そうなれば数百万人の市民が亡くなったと思われる。原爆投下はその事態を防ぎ、むしろ多くの日本人の命を救うことに繋がったのではないか」と言った。実際に米国ではこのように教育している。

 ところが、これは嘘である。2011年に米国で刊行されたハーバート・フーヴァー元米大統領の著作『裏切られた自由』(日本語翻訳版は2017年に草思社より発売)によると、原爆投下について全く違った目的があったと記されているのである。

 第二次大戦中、米国が日本やドイツを降伏させるまで、米国はソ連のスターリン書記長と組んでいた。ところが、その後は米国とソ連の対決になる。現に終戦後は冷戦に突入した。

 米国の真のターゲットは、日本ではなく、ソ連だった。日本に原爆を投下した理由もそこにある。ソ連に自国の戦力を示すため、広島と長崎に原爆を投下したというのである。これはまさにスターリンのソ連に対する威嚇だった、とフーヴァー氏は著作の中で述べている。