外交も課題山積み

 安倍政権が考慮しなければならないのは内政だけではない。

 7月29日未明、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。これまでは朝に発射していたが、今回は深夜という異例のパターンである。最大高度は3724キロに達し、通常軌道であれば、射程1万キロと推定されている。米国の西海岸まで到達できる距離だ。危機レベルは確実に上がっている。

 これに対し、米国のトランプ大統領は中国を痛烈に非難し、「中国には大いに失望している。ただ対話するだけで、我々のために何一つやっていない。中国は、この問題を解決できたはずだ」と苛立ちながら発言した。

 その米国側も混乱している。例えば、せっかく任命したアンソニー・スカラムチ広報部長を就任から10日足らずで解任。28日にプリーバス大統領首席補佐官も更迭し、21日にはスパイサー大統領報道官が辞任した。依然としてトランプ政権は落ち着いていない。

 ロシアゲートの問題もある。7月7日にトランプ大統領とロシアのプーチン大統領の初会談が行われたが、ここでもほとんどプーチン大統領に主導権を握られていた。

 トランプ氏は、今回の北朝鮮のICBM発射問題で腹を立ててはいるが、彼自身は何かできるのだろうか。「中国に対して大いに失望した」と述べ、中国と北朝鮮の経済に対し、制裁を強めようとしている。しかし、効果はいかほどか。

 驚いたことだが、15日に重慶市党委員会書記だった孫政才が突然免職された。彼は、ポスト習近平に最も近い男だと言われていた。彼を失脚させたうえ、拘束した理由は何だろうか。

 僕が思うに、習近平は、「第二の毛沢東」を狙っているのではないか。つまり、「終身主席」である。すると、習近平はこれから相当手荒い“手術”をするのではないかと思われる。自分に反対する可能性ある人物、あるいは中立ではないと思える人間を切っていくということだ。

 トランプ氏は今回のミサイル発射実験について非常に怒っているが、具体的に米国は何が出来るのか示していない。

 国際社会がにわかに混乱し始めている。今、日本ができることは何か。安倍首相がトランプ氏と52分も電話で会談して、日米で北朝鮮に対する圧力を強化するという方針を確認したが、具体的に何ができるのか分からない。

 内政だけでなく外交も課題は山積みだ。内閣改造でこれらを乗り切ることができるのか。注視していきたい。