あまりにも不自然な話

 閉会中審査のもう一つの議論は、加計学園の獣医学部新設計画をめぐる問題だった。前川喜平・前文科事務次官らを参考人招致したが、結局は政権側と前川氏の話は平行線が続き、国民の疑問は深まるばかりだった。

 6月22日、萩生田光一官房副長官と文部科学省のやり取りを記録した文書が公表された。ここには、獣医学部新設について「萩生田(光一官房)副長官ご発言概要」「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」などと記されていたが、萩生田氏は全面的にそれを否定した。

 では、なぜそんな文書が存在するのか。萩生田氏は、「記憶にない」と言ったが、その真偽も曖昧だ。

 僕は、10日の閉会中審査が安倍内閣支持率を低下させた原因の一つだと思う。例えば、毎日新聞が行った世論調査(22日、23日に実施)では、支持率は26%、不支持率は56%。時事通信の調査(14日実施)では、支持率は29.9%、朝日新聞(8、9日実施)では支持率33%だった。支持率低下に歯止めが掛からない。

 確かに、24日の安倍首相の話し方は非常に丁寧だったし、乱暴な言葉は一切なかった。今までの国会での発言とはだいぶ違う。これは支持率の低下を意識したのかもしれないが、発言の中身をよくよく見ると、今までの国会でのやり取りと全く変わらない。

 例えば、民進党の大串博志氏に対する回答だ。大串氏は、安倍首相と加計学園の理事長、加計孝太郎氏との接触記録を提示し、「第2次安倍内閣における二人の接触回数は14回。うち昨年7月以降は6回」ということを示した。その上で、「安倍首相は、加計学園が獣医学部を新設し、国家戦略特区に申請するという話をいつ知ったのか」と質問した。安倍首相は、「2017年1月20日だ」と答えた。

 昨年7月以降、6回も接触をして、本当に獣医学部開設の話題が全く出てこなかったのか。世間話としても出てこなかったのか。これはあまりにも不自然な話だ。国民の誰もが信用できないだろう。

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