安倍政権が混乱している。昨夜、稲田朋美防衛相が辞任の意向を固めたと各紙が報じた。今日28日にも辞表を提出するという。遅すぎる辞任である。

辞任の意向を固めた稲田防衛相(写真:日刊現代/アフロ )

 10日に首相不在のまま開かれた閉会中審査の一つの争点は、稲田防衛相に対する南スーダン国連平和維持活動(PKO)の情報漏洩問題だった。南スーダンPKOに派遣されていた陸上自衛隊の日報は「破棄した」とされていたが、実際は保管されていた。しかも、この文書の対応を協議した幹部会議に、稲田氏も出席していたという記録が出てきたのだ。

 その会議では、保管の事実を非公表とする方針に決まったという。もちろん、稲田氏も了承していたということだ。

 ところが、3月16日の衆議院安全保障委員会で、稲田氏は「幹部から報告されなかった」として、それを全否定した。ということは、防衛省側の文書がインチキだったのだろうか。防衛省からの記録の通りであれば、稲田氏は国会で明らかな虚偽発言をしたことになる。

 これが事実なら大問題だ。逆に、もし稲田氏がその会議に出席していなかったとすると、防衛省の稲田氏に対するクーデターということになる。いずれにしても、防衛大臣としての資格がないと言える。

 その稲田氏を、なぜ安倍首相はこれまで辞任させなかったのか。僕は、本来ならば、都議選で批判を浴びた稲田氏の「自衛隊としてもお願いしたい」発言の時点で、辞任させるべきだったと思う。

 辞任させていれば、自民党は都議選であれほど惨敗することはなかっただろう。今回明るみになった防衛省の問題にも苦慮することはなかった。

 これらの問題は、全て稲田氏の責任だ。なぜ、安倍首相はここまで稲田氏をかばい続け、辞任させなかったのか。ここが全く分からない。僕の取材では、自民党内からも「理解できない」という声が挙がっていた。辞任させない姿勢を強めた結果、安倍内閣の支持率は落ちていった。

 そもそも、首相不在の閉会中審査や、7月24日、25日に開かれた衆参予算委員会において、安倍首相は何がしたかったのか。僕にはさっぱり分からない。自民党内を取材しても、議員から同様の声が聞こえてくる。