落合陽一氏は汎用AI時代を先取りしている

 今のAIは、特化型AIであり、汎用型AIではない。わかりやすく言えば特化型AIは、囲碁では勝てても、将棋やチェスはできない。一つのことしかできないものである。一方で汎用型AIは、人間のように複数のことができる。

 2030年になると、この汎用型AIが普及するだろうと言われている。そうなると、人間の仕事がどんどんAIに奪われるとの意見もある。「AIが49%の仕事を奪った時、人は何をするか」でも述べたが、イギリスのオックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授と、カール・ベネディクト・フレイ博士が、野村総合研究所との共同研究で、このままAIの開発が進むと、日本で働いている人の約49%の仕事は10~20年後にはAIに代替されると発表した。

 さらには、2045年にAIが人間の知能を抜く、つまり「シンギュラリティ」が起こり、そこで現在の仕事の9割がAIに代替されるという話もある。欧州では、そんなAI時代の到来に向けてベーシックインカムの研究を進めている国がある。

 AIの普及については、楽観論と悲観論がある。松尾氏は、「汎用型AIが出てきても、どんどん新しい仕事が生まれるだろうから、雇用喪失の心配はそれほどないのではないか」と述べている。

 AIに代替されない、人間にしかできない仕事を見つけなければならないということだ。では、人間にしかできない仕事とは何だろうか。創造。感情。価値判断。人にしかできない細やかなサービス。こういったものを基盤としたものだ。

 あるいは、生活のための仕事ではなく、生きるための仕事が必要とされる可能性もある。落合陽一氏は、「今、ワークライフバランスという言葉があるが、それは間違っている。ワークアズライフを目指すべきだ」と主張している。

 その意味を、それぞれ生きるために自分の仕事をつくるという面白い時代になると僕は捉えている。そしてそれは自分が面白いと感じることをしろ、ということだ。その価値観は、来たるべき汎用AI時代を先取りしていると感じる。

田原総一朗著

 84歳になったジャーナリスト・田原総一朗が、人工知能=AIに挑む。

 AIは社会をどう変えるのか/AIは日本人の雇用を奪い、「勝ち組」と「負け組」の格差を拡大させる悪魔の技術なのか/世界の企業はグーグルの下請けになるのか/日本の産業を「小作人」化の悪夢からどう救うか/銀行のビジネスモデルは崩壊寸前?/中国の「情報独占」の恐怖……などの疑問を、世界最先端の研究者たちに真正面から問う。

 グーグル=グレッグ・コラード、プリファード・ネットワークス=西川徹、トヨタ・リサーチ・インスティチュート=ジェームス・カフナー、東京大学=松尾豊、ドワンゴ人工知能研究所=山川宏、経済産業省=柳瀬唯夫ら世界を代表する面々が総登場する、驚異の一冊!

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