先日、僕は森友学園の籠池泰典前理事長を取材した。僕は籠池氏に、「一昨年の9月、あなたは安倍昭恵氏に電話をしたが、その時、昭恵氏は海外出張中で留守番電話だった。一体、あなたは安倍夫人に何を頼もうとしたのか」と聞いた。

 すると籠池氏は、「近畿財務局が土地を売ると言っているが、値段が高すぎる。これを何とか安くできないものかと言おうとした」と答えた。ほかにも2つほど用件があったそうだが、メーンは国有地の値下げだったという。

 その後、恐らく昭恵氏が経済産業省の谷査恵子氏(当時は内閣総理大臣夫人付)に頼んだのだろう。谷氏から連絡を受けた籠池氏は、谷氏に詳しい手紙を書いて郵送したという。

 しばらく経って、谷氏からFAXが届いた。「近畿財務局に交渉をしてみましたが、残念ながらご期待に添えるような事態にはなりませんでした。申し訳ございません」という返事だった。

 ところが、少し時間を置いてから、谷氏から二度目のFAXが届いた。「今年度はご期待に添えませんが、来年度(16年度)での予算を行う方向で調整しています」と書かれていた。

 新年度に入ると、何と近畿財務局は、先にも触れたように国有地の値段を8億1900万円も値下げして売却したのだ。

 僕は籠池氏に「これは、満額回答と言っていいんですか」と聞いたら、「もちろん満額回答です。昭恵夫人が色々やってくださったおかげで、要望が実現しました。非常に感謝しています」という答えが返ってきた。

 籠池氏はこのように言っているが、政治家たちは官僚に責任をなすりつけて逃げ回っている。

加計学園問題でも全関係者が逃げた

 加計学園問題でも、内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」と文科省に圧力をかけたとする文書が出てきた。

 それについて菅義偉官房長官は、当初、「怪文書だ」と言い捨てていた。ところが、周囲からの批判が強まり、対応できなくなると、文科大臣が「調査をする」と言わざるを得なくなった。その結果は「確認できなかった」というものだった。