中間選挙までは、トランプ氏の強硬姿勢が続く

 トランプ氏の「米国第一主義」に対して特に貿易問題では米国内からも批判の声が上がり始めている。

 米国が高い輸入関税をかければ、輸入品の価格が上昇し、結局は米国の消費者の負担が増える。

 さらに米国は農産物の輸出大国でもある。各国は報復措置として「米国の農産物の輸入に高い関税をかける」と言い出しており、これが実施されると米国の農業は今後、大きなダメージを受けることが予想される。

 先日、農林水産省の幹部から「米国の農業団体が今、『米国は貿易の自由化を守るべきだ』というテレビCMを制作している」という話を聞いた。今のところ、米国内でのトランプ氏の支持率は下がらないが、反トランプの動きも増えつつある。

 ただ、トランプ氏が中間選挙を見据えている以上、今秋まではこの路線を貫くのではないかと思う。米国の経済人たちは、「トランプ氏の強硬的な保護主義政策が米国にとってマイナスになるのではないか」と見ているが、中間選挙までは強い抵抗感を示さない可能性が高い。

自民党の総裁選への影響は

 こういう大問題について、日本の政治家たちからは何の意見も出てこない。野党からは、全く反論がないし、自民党の議員たちも、結局は政府に任せっぱなしである。だから、森友・加計問題のような不祥事が起こっても、安倍内閣の支持率が落ちないどころか上がるのである。

 この点は、マスメディアもほとんど指摘していない。一部が問題提起をしているが、それもどこか及び腰である。

 9月に控える自民党の総裁選には、石破茂氏、岸田文雄氏、野田聖子氏が出馬する可能性のある。しかし、貿易問題や外交問題について、岸田氏はほとんど安倍首相と同調しているし、石破氏の意見はリアリティーがない。貿易戦争が本格化しても、このまま安倍首相有利の構図が続くのではないか。

 まずは米中貿易戦争の行方とともに、安倍政権がどのような方針を打ち出すのか、見守りたい。

田原総一朗、猪瀬直樹著

 たび重なる大震災、2度の政権交代――それでも変わらない政治の無責任体質。少子化と反比例するように増え続けた国の借金は1000兆円。昭和の遺産を食いつぶし、後退戦を続けた平成の30年間、いったいどこで失敗した?

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