安倍内閣をずっと支持する30%はどんな人たちなのか(写真:AFP/アフロ)

 安倍内閣の支持率は、今年3月に森友・加計学園問題が再燃してから下落。ここ数カ月の世論調査では支持よりも不支持の比率が高い。自民党の一部には懸念する声も出始めている。

 ただし、支持率は一気に下がるのでなくこのところは下げ止まり気味で、30~40%を推移している。これだけの問題が明るみになったにもかかわらず、支持率が30%を切らない。そのことに多くの関係者が注目している。

 理由の一つはやはり、野党に政権構想がないからである。国民は安倍内閣に不満を抱いている。しかし、代わりになるような野党が見当たらない。他に選択肢がないことが「3割」につながっている面がある。

 ただし、それだけではない。どんな人が安倍政権を支持する30%なのか。そこから考えると、見えてくることがある。

 先日、30歳前後の若者と話をする機会があり、僕はそこで大きな「発見」をした。彼らが政治に関心を持つようになった時期は、だいたい2009年の民主党政権以降なのである。つまり、20代、30代が知っている自民党政権は、安倍晋三政権だけだ。小泉純一郎政権も、中曽根康弘政権も知らない。

 この時期を振り返ると、民主党による政権はあまりにも機能せず、極めて評価の低い政権だった。それが12年12月に自民党による政権となり、その後5回の選挙ですべて自民党が勝利している。

 このため、若い世代から見ると、政権与党である自民党と安倍首相がそのまま重なる。逆に言えば、若者にとっては安倍首相以外の自民党の政権もなじみがない。安部政権は若者の支持率が高めだが、政権が長期化していること自体が、安倍内閣への支持につながっている面がある。

 「若者は保守化している」わけでなく、あくまでも若者は安倍内閣以外の自民党政権を知らない、のだ。自民党内はかつて派閥間に活発な議論があり、それが首相交代を生み、大きな活力にもなっていた。しかし、若者は自民党にそうした側面があることを彼らは全然知らない。だからこそ、森友・加計学園問題が明るみになったにもかかわらず、30%が支持する状況になっている。

 これに対し、上の年代はかつての自民党を知っている。だから若者に比べて安倍政権に対する見方が厳しい。安倍内閣を批判しているのは60代以上だと思う。「若年層の右傾化が強まっている」と言われることがあるが、実はそうではない。安倍内閣を支持する30%から考えると、そのことがよくわかる。

 6月10日に投開票が行われた新潟県知事選挙についても言及しておきたい。自民党と公明党が支持した元海上保安庁次長の花角英世氏が当選。与党勝利という形になったが、候補者の獲得票数を比べると、花角氏の54万6670票に対し、野党5党等が推薦した前県議の池田千賀子氏は50万9568票である。自民党からしたら大勝利でなく、あくまでも僅差の戦いだったのだ。

 僕は、この選挙は野党の失敗だったと思う。野党にも勝利のチャンスが大いにあった。ではなぜこの結果になったのかといえば、野党は戦略を完全に間違えたのである。