AIで新たな仕事が生まれる
AIは、どんどん実用化されていくだろう。その過程で、大きな問題があると言われている。それが雇用だ。
2015年、英オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授と、カール・ベネディクト・フレイ博士が、野村総合研究所との共同研究で「10~20年後には、日本で働く人の約49%の仕事がAIに代替される」と示唆した。
さらに今、「シンギュラリティー」という言葉が注目されている。AIが人間の知能を超えることを意味する。2045年にはAIが人間の知能を抜き、その頃には人類の仕事の90%が奪われてしまうという見立てもある。
AIは人類にとって味方となるのか、敵となるのか。
世の中には人を怖がらせるのが好きな人間がいる。「AIの普及が雇用を奪い、招来を暗くする」という話は、そういった人たちの間で広がる偏った見方ではないかということだ。残念なことに、人を怖がらせたい人たちは、マスコミに多い傾向があると僕は見ている。
一方で松尾さんは、技術を発展させていけば人類にとってプラスになると考えている。AIが敵になるという話は、あまりにもネガティブな見方ではないかと話す。
1800年前後に英国で起こった第一次産業革命では、蒸気機関の発明によって多くの産業用機械が開発された。「機会に仕事が奪われる」と危惧した職人たちによる「打ち壊し運動」が起こった。ところが、結果的には産業革命によってほかの仕事が増え、職人たちが仕事を失うことはなかったのだった。
松尾さんが「プラスになる」と語るのは、AIの進歩によって従来の仕事が減っていく一方で、新しい仕事も生まれていくと見ているからだ。
では、AI時代では、どのように仕事と向き合っていけばいいのだろうか。
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