政府は5月19日の閣議で、天皇陛下の退位に関する特例法案を決定した。2018年12月下旬にも陛下の退位と皇太子さまの即位を行う方向で調整を進めている。

天皇陛下の退位に関する有識者会議(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 ところが、陛下はこれについて強い不満を示しているという。毎日新聞は5月21日付の朝刊で次のように報じた。

天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議で、昨年11月のヒアリングの際に保守系の専門家から「天皇は祈っているだけでよい」などの意見が出たことに、陛下が「ヒアリングで批判をされたことがショックだった」との強い不満を漏らされていたことが明らかになった。

 この報道にある陛下のお気持ちは、僕自身も宮内庁や陛下のご学友たちを取材して聞いている内容と一致する。

 保守・右派たちは、陛下が沖縄やサイパン、パラオ共和国など第二次世界大戦の激戦地だった場所へ訪問することや、被災地を訪れて被災者を見舞うことについても「余計な仕事だ」と批判的だった。だから、「陛下はお祈りさえしていればいい。だから退位も必要はない」という内容の言葉が出てくるのだ。

 それだけではない。毎日新聞はこうも報じた。

陛下は、有識者会議の議論が一代限りで退位を実現する方向で進んでいたことについて「一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない」と語り、制度化を実現するよう求めた。

 陛下は皇室典範の改正を望んでいたとされる。ところが安倍内閣は、一代限りの特例法にしてしまった。陛下は、「自分の意志がこれほど曲げられるとは思ってもいなかった」と安倍内閣に強い不満を感じていらっしゃる。

 これは、とても重大な問題だ。