存在感が薄れつつある日本

 そういった中での今回のミサイル発射実験は、どう捉えるべきか。この先はどうなるのか。特に、米国はどう出るのか。

 米太平洋軍は、「ミサイルの種類を分析中だが、ICBMと飛行の特徴が一致していない」と分析。米国は現段階では、北朝鮮への対抗措置は経済制裁のレベルに留めながら状況を見るとしている。

 今、トランプ氏の考える対話の手段は二つある。一つは、中国を通した圧力だ。先にも述べたが、北朝鮮の輸出の80%を占める中国が北朝鮮に核実験を止めるよう圧力をかける。それでも反発するならば、生命線である石油の輸出をやめる。もう一つは、武力行使だ。ただし、まだ米国は北朝鮮にどう対応すべきか判断できないと思う。

 一方で北朝鮮は、どこまでやれば米国が本気になるかを見極めたい。その見極めができるまで、北朝鮮はこうしたギリギリの外交を続けようとしているのだろう。

 ロシアにとっても難しい状況は続く。ロシアは今回のミサイルについて非難するコメントを出しているが、米国の威嚇に対しても牽制する発言をしている。プーチン大統領が北朝鮮との国境に向けて装甲車や戦車を移動させているという報道もある。

 ただ、ロシアは米国に対抗する姿勢を見せながら、プーチン大統領はティラーソン国務長官と長時間の会談を行った。一見対立しているかに見える米ロ間は、意外にもコミュニケーションができているのではないかと僕は思っている。その場で、北朝鮮問題も議論されている可能性が高い。

 日本の外交も難しい局面に差し掛かっている。米国が、中国の習近平主席と組んで北朝鮮と対話しようとしているのならば、日本の立場はどうなるのか。下手をすれば、アジアにおける日本の存在理由がなくなる恐れもある。

 一週間ほど前、安倍首相の秘書官である今井尚哉氏が中国を訪れた。日本の存在感が薄れるのを避けるため、習近平氏を今年中に日本に呼ぼうとしているのだ。16日に自民党の二階俊博幹事長と習近平氏が会談したが、そこでも今井氏が同席している。

 安倍首相は日本の存在感が薄れないように、何とか中国との関係を強めたいと必死で考えている。今後も日中関係改善に向けて積極的に動くのではないか。

 北朝鮮問題において、各国が難しい対応に迫られている。今後の動き、特に米国の出方に注視したい。