実は米ロは対立していない

 シリアも複雑な構図になっている。米国が反アサド勢力の自由シリア軍を支援し、ロシアはアサド政権を支援している。間接的ではあるが、米国とロシアが対立しているわけだ。さらには、その中でISがシリアやイラクで勢力を伸ばしてきた。

 混乱した中東をどう治めればいいのか。まずはシリア問題を解決しなければならない。おそらく、反アサド勢力に統治能力はないだろう。それは米国も分かっていると僕は思う。

 では、米ロの対立をどうすればいいのか。4月にアサド政権がシリアで化学兵器の使用したことに対し、トランプ氏が「憎むべき行為だ」としてシリアを攻撃した。ロシアはこれに「侵略攻撃だ」と強く非難し、米ロの対立はますます激しくなったと見られている。

 しかし、僕はそうは思わない。4月11日、ティラーソン米国務長官がロシアを訪れ、プーチン大統領と長時間にわたって会談した。この長時間の会談が意味するのは、基本的に米ロのコミュニケーションはスムーズだということだ。

 最終的には、米ロが組んで、「アサド政権は支持するが、勝手なことはさせない」という方向性で一致するのではないだろうか。

 結局、イスラム諸国が安定しない限り、難民問題は解決しない。おそらくは、フランスも米ロに同調するだろう。今後、改めて注目されるシリア問題や難民・移民問題に、マクロン氏はどう立ち向かうのか。僕はこの点に注目している。