柳瀬氏のみならず、佐川宣寿・前国税庁長官も嘘ばかり言っている。こちらも、安倍首相を守るためと思われる。誰が見ても、安倍首相が責任を取るべき問題へと発展しているのである。

自民党の参議院議員約70人を前に話したが……

 先週、僕は「北朝鮮、米国、中国の関係について話をして欲しい」と頼まれ、自民党の参議院議員約70人の前で話をする機会があった。そのとき僕が話した内容は米朝中関係ではなく、前半は佐川氏、後半は安倍首相の批判だった。

 森友・加計問題の根本的な原因は、「自民党の劣化」だ。僕は何度も強く主張した。

 今、国民の自民党に対する不信感が強まっている。あなたがたは自民党員だ。自民党を愛していると思う。自民党を愛しているならば、国民の信頼を取り戻すために、堂々と安倍批判をやるべきではないか。

 若い頃僕は、野党など全く関心がなかった。本コラム「“茶坊主”ばかりの自民党が崩壊するシナリオ」でも述べたが、かつての自民党には 主流派、反主流派、非主流派が存在することで多様性があった。

 主流派、反主流派、非主流派の間で、いつも白熱した議論が起こっていた。下手なことを言えば他の派閥から批判されてしまうから、誰もが発言に責任感を持たなければならなかった。例えば、自民党の首相が交替する時は、野党からの批判ではなく、主流派が、反主流派や非主流派との議論に負けた時だけである。当時の自民党には、常に緊張感があった。

 ところが、選挙制度が中選挙区制から小選挙区制に変わったことで、自民党には反主流派も非主流派もなくなった。一つの選挙区から1人だけが当選するという小選挙区制では、執行部の推薦がなければ立候補ができないから、主流派の議員だけが当選するようになった。こうして、自民党内のほとんどが安倍首相のイエスマンになってしまった。

 これこそが、自民党の劣化である。

 僕は、第二次安倍内閣で最初に幹事長を務めた石破茂氏に、「みんな安倍首相のイエスマンになってしまった。自民党の劣化だ。昔のように言論闘争を起こすために、選挙制度を中選挙区制に戻すべきだ」と話したことがある。

 すると、石破氏は「その通りだ。しかし、中選挙区制には戻したくない。なぜならば、中選挙区制だと1度の選挙につき1億円超のコストがかかるからだ」と言った。

 昔は、政治家のスキャンダルと言えば、金権の問題だった。今は、そんな話は全く出てこない代わりに、不倫やセクハラの話ばかりである。これも、選挙制度が変わったことによって見られる変化である。