4月6日と7日、米国のトランプ大統領と中国の習近平主席による初の米中首脳会談が開かれた。最も重要なのは、その首脳会談の最中に、米国がシリアに向けて59発のミサイルを発射したことだ。

 トランプ大統領は会談の途中で、習近平主席にその事実を伝えた。これはどういうことなのか。

米国によるシリア攻撃は米中首脳会談の最中に行われた(写真=ロイター/アフロ)

 ミサイルを撃ち込んだ理由は3つある。

 1つ目は、トランプ大統領が「自分はオバマ氏とは違う」と示したかったこと。2013年にアサド政権が反体制派に対して化学兵器とみられる爆弾を使用した時、米政府は兵器の使用を断定し、オバマ大統領はこれを「レッドライン(超えてはならない一線)」として、シリアへ軍事攻撃しようとした。

 しかし、オバマ氏は「攻撃する」と言いながらも実現できず、結局、ロシアのプーチン大統領に主導権を握られてしまった。その点で、トランプ氏はシリアを実際に攻撃することでオバマ氏との違いを示したかったのだろう。

 2つ目は、トランプ氏が大統領に就任してから、内政が全くうまくいっていないことだ。特に、「オバマケア」の改廃に失敗したことは、トランプ政権にとって打撃だった。与党の支持を集められなかったことはトランプ氏の求心力低下に繋がり、今後の政権運営に悪影響が出る可能性もある。

 このように内政がうまくいっていない時には、外交、特に戦闘行為を行うのは常套手段だ。

 しかし、何よりも大事なことは、ミサイル攻撃が米中首脳会談の最中だったことだ。これは何を意味するのか。