日本としては、これからどうすればいいのか。4月18、19日に行われる日米首脳会談で、安倍首相はどこまでトランプ氏に迫り、輸入制限においてどこまで妥協させられるのか。

 トランプ氏の関心は、中間選挙をいかにして勝つかということに集中している。今のところ、上院では共和党が勝つだろうが、下院では相当危ないといわれている。この戦いを乗り切るために、トランプ氏は安倍首相に相当強硬的な姿勢で首脳会談に臨む可能性がある。あるいは、日本にとって非常に厳しい条件での自由貿易協定(FTA)の締結を要求してくることも、十分にあり得る。

 それに対し、日本政府、特に農林水産省は戦々恐々としている。FTAが実現すれば、牛肉をはじめとする輸入農産物等の輸入品の関税が撤廃され、日本の農業や畜産業は大ダメージを受ける可能性があるからだ。

 もう一つ、問題がある。北朝鮮問題において、日本外交は完全に蚊帳の外である。その傾向が強まれば、日本国内で一種の「自立論」が広がるだろう。例えば、本コラム「安倍首相は憲法改正で名を残したいだけだ」でも述べたが、日米地位協定では日本はまるで米国の植民地のような扱いをされていた。こういった問題がしばしばクローズアップされるが、今後はますます強まっていく可能性がある。

 これはある意味、危険な傾向でもある。自立するために、日本も核兵器を持つべきだという話にもなりかねない。

米中双方の思惑によって実現する米朝首脳会談

 習近平氏と金正恩氏との電撃会談の裏側では、米中の思惑が交錯していた。

 2017年までトランプ氏は、北朝鮮を追い込むことができるのは中国だけだと期待していた。ところが17年の流れを振り返ると、どうも中国にはそういった力はないと判断したようだ。

 「北朝鮮問題では、もう中国に頼れない」──トランプ氏はそう考え、直接米朝首脳会談を決意したという側面もある。さらに米国は、中国に対して米通商法301条に基づく対中制裁に踏み切った。最大で年間600億ドル(約6兆3000億円)相当の中国製品に対し、25%の関税を課すのである。

 当然だが、中国は反発。中国は中朝首脳会談を実現することで、「北朝鮮は中国のコントロール下にある」と米国にアピールしたのである。

 一方、トランプ氏は国際協調派のティラーソン国務長官やマクマスター大統領補佐官を解任し、後任として強硬派のマイク・ポンペオ中央情報局(CIA)長官を国務長官に、ジョン・ボルトン元国連大使を大統領補佐官に指名した。下手をすれば、北朝鮮に武力行使も辞さない顔ぶれだ。

 それに対して中国は、「自分たちは米国の強い味方である」という姿勢を米国に示したのである。

 水面下では、こういった思惑が交差していたわけだ。

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