国有地売却をめぐり安倍昭恵夫人の関与があったのかどうか、国民の関心が高まっている(写真:ロイター/アフロ)

 3月27日(火曜日)に、国会で佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問が行われた。これによって森友文書改ざん問題の疑惑を一層強めてしまったと思う。

 この日の佐川氏の表情を見ると、事前に戦略を練って証人喚問に臨んだように感じた。3月9日に辞任した時の顔とはまるで違うのだ。あの時は相当うろたえていた印象があるが、この日にはそういったところが全くない。むしろ、受け身より攻めの表情だった。

 公文書改ざんの問題で、あの文書を、いつ、誰が、何の目的で改ざんしようとしたのか。その改ざんに、佐川氏はどの程度関わったのか。野党はそれらの点について質問したわけだが、佐川氏はいずれも「刑事訴追の恐れがあるので、ここでそのことを説明するわけにはいかない」と具体的な説明をしなかった。「刑事訴追」を隠れ蓑にして、肝心な点についての回答を避けたわけだ。

 野党各党の中で、共産党の小池晃氏が非常に鋭い切り込みをしていた。彼だけは他の議員たちとは異なる質問をした。佐川氏はかつて国会で「森友側と価格についての話し合いがなかった」と説明していた。ところがその後、事前に値段交渉している音声データが出てきた。一体、どちらが本当なのか。

 佐川氏が言っていることが本当なら、録音データはインチキである。共産党の小池氏は「どちらが真実なのか」と問いただすと佐川氏は、「刑事訴追の恐れがあるので、答えられない」と言った。小池氏は、「ただ事実を尋ねただけだ。刑事訴追と関係あるわけがない。なぜ、YESかNOかすら答えられないのか」と詰め寄った。この問答については、非常にリアリティがあると感じた。

 さらに小池氏の質問の中には、「改ざん前の文書に安倍昭恵夫人の名前が出てきたが、それについてあなたはどう感じたか」というものがあった。やはり佐川氏は、再び刑事訴追を盾にして回答を避けた。

 小池氏は「何を言っているのか。これも刑事訴追には全く関係ない話だ」と憤慨し、ここでまた証人喚問は中断された。

 「何も答えないのであれば、証人喚問の意味は全くない」と小池氏は声を荒げたが、視聴していた国民の多くも同じように感じていただろう。