リークによって問題が明るみに出た

 それにしても、この杜撰さは何だろうか。かつて加計学園問題でも、内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」と文科省に圧力をかけたとする文書が出てきた問題があった。

 これについて菅義偉官房長官は、当初、「怪文書だ」と言い捨てていた。ところが周囲からの批判が強まると、文科大臣は「調査をする」と言わざるを得なくなった。その結果は「確認できなかった」というものだった。

 これも、文科省の官僚たちが、安倍内閣に対して怒りを表明したのだと思う。一般的に考えると、こういった状況であれば内部文書が出てくるわけがない。

 話を森友学園問題に戻そう。スクープ記事が明るみになった後の僕の取材では、こんな話が出た。第一次安倍内閣で、「年金記録問題」が起こったことがある。コンピュータに年金番号の記録があるものの、基礎年金番号に統合・整理されていない記録が約5000万件あったというものだ。当時、杜撰な管理をしていた社会保険庁は、社会から痛烈な批判を受けた。

 これもどうやら、内部からのリークによって発覚した問題のようだ。結局、この事件は第一次安倍内閣の大きなダメージとなった。

 今回の事件も同様である。僕は、安倍首相がよほど徹底した措置を取らなければ、政権は致命的なダメージを負う可能性が高いと感じている。

3月2日付の朝日新聞の記事では、森友学園との国有地取引に関する書き換え前の決済文章を「朝日新聞が確認」と書いてあるが、文章を入手したとは書いていない。記事中に示された写真は国会議員らに開示された(書き換え後の)決済文章だった

 朝日新聞が報じた文書書き換えが事実であれば、佐川宣寿・国税庁長官が、昨年、国会で答弁していた「森友学園とは事前の価格交渉はしていない」という内容は辻褄が合わないことになる。今後、安倍首相は佐川長官を追及し、不正が真実ならば更迭するのかどうかがポイントとなる。僕は、おそらく更迭するのではないかと思う。

 さらには、佐藤慎一・前財務事務次官の責任も問われている。これらの点を時間をかけて曖昧にしていると、世論の批判が高まり、麻生財務相の責任まで問われかねない。

 安倍政権は、麻生氏、管氏、甘利明氏が屋台骨を支え続けていたが、甘利氏が16年に失脚し、今回の問題で麻生氏も失脚することになれば、政権は大ダメージを避けられない。その最悪の事態を避けるために、安倍首相はこれからどのような手を打つのか。僕は、これは安倍政権の危機だと感じている。もはや「政局」になったと言っていい。