2月4日に沖縄県名護市長選挙が行われた。

 現職で 3期目を目指す辺野古移設反対派の稲嶺進氏が落選し、自民党と公明党が推す無所属新人で元市議の渡具知武豊氏が当選した。

 依然として、沖縄では辺野古移設反対派が圧倒的に多いと言われているが、今回の市長選では意外な結果となった。渡具知氏は、辺野古移設について賛成も反対も表明していない。一部では、「容認派」とも言われている。今回の当選を機に、移設工事が加速するのではないかとの見方が強まっている。

 テレビや新聞での報道を見ていると、名護市の市民たちは経済の発展を支持したという意見が出ている。しかし僕は、市民たちは移設に反対しているものの、展望のない状況に失望して「せめて経済を回復させたい」と考えたのではないかと思う。

 沖縄県知事の翁長雄志氏も、移設反対を唱えている。しかし、移設しないのならばどうすればいいのかということは明確に示していない。一部のマスメディアも移設反対を唱えているが、どうすべきかという点についてはきちんと触れていない。

 反対ではあるが、その場合、どうすればいいのか議論されていないのだ。こんなことでは、地元市民は「反対疲れ」に陥ってしまう。

 僕は、選択肢は二つしかないと思う。

 一つは、米軍が沖縄から撤退することだ。しかし、これは今の東アジアの緊張状態を考えても、現実的にはあり得ない話である。

 もう一つは、沖縄県の米軍基地を減らすことだ。よく言われていることだが、日本全体に占める沖縄県の面積は0.6%しかない。にもかかわらず、全国の米軍基地の70%以上が置かれている。この極めて不公平な状況は、是正しなければならない。沖縄の米軍基地を減らし、本土に一部を移すのだ。僕は、事あるごとに政府の要人にこのことを直接提案している。

 なぜ、マスメディアは具体的な解決策を提案しないのか。どうも日本のマスコミは、批判だけして、どうすればいいかということは示さなくていいと思っているようだ。

 もちろん、マスメディアというものは、第四の権力として国家機関を監視する役割も担っているが、批判をするならば対案を出すべきではないか。今のマスメディアは、傷を負わない位置から批判をし、無難にやりすごしているだけである。

 これと同じことが、憲法改正論議にも当てはまる。

 野党は、安倍首相が主張する憲法改正に対して強く反発しているが、どうすればいいのかという対案をきちんと示しているとは言えない。マスメディアも同様である。野党もマスメディアも、安倍政権に反対を唱えるならば、きちんと国民が選択できるような対案を出すべきだ。