(写真=Alessandro Di Ciommo/アフロ)

 アメリカのドナルド・トランプ大統領が、シリアやイランなど7カ国から米国への入国を禁止する大統領令を発令した。

 サリー・イエーツ司法長官代理が「大統領令が合法だという確信がない」として、従わない意向を司法省に伝えたところ、腹を立てたトランプ大統領は彼女を即座に更迭した。これは無茶苦茶な話だ。

 入国禁止に反対するデモには、おびただしい数のアメリカ国民が参加している。トランプ政権内部、例えば国務省の官僚たちも約900名が反対しているという。米国内だけではない。英国やスコットランド、香港や日本など世界中で抗議のデモが起こった。

 企業からも批判の声が上がる。自動車大手のフォードやゼネラル・モーターズ、金融大手のゴールドマンサックス、IT大手のアップル、グーグルやフェイスブックなどの米国企業のトップらも反対を表明している。

 その中で、日本の安倍晋三首相はどうか。1月30日の衆議院予算委員会で、安倍首相は野党からの質問に対して「コメントをする立場にはない」と回答を避けた。

 首相というのはコメントする立場にないどころか、一番コメントしなければいけない立場にあるのではないだろうか。

 2月10日に控える安倍・トランプ会談に悪影響をもたらすことを危惧しているのだろう。しかし、1月27日にトランプ大統領と会談したメイ首相ですらも反対を表明している。メイ首相だけではない。カナダのジャスティン・トルドー首相は1月28日に、「カナダはどんな宗教の人も歓迎する」とツイッターでつぶやいた。彼もまた、近くトランプ氏と会談予定であり、安倍さんとは同じ立場にある。それでも、一国のリーダーとして自分の意見をきちんと表明した。

 それに比べると、コメントを控えた安倍首相の弱気な姿勢が目立つ。このような姿勢で、10日の安倍・トランプ会談できちんと日本の意見を主張できるのだろうか。