1月24日、安倍晋三首相は2月9日に開催される平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式に出席する意向を表明した。さらには文在寅(ムン・ジェイン)大統領と首脳会談を行い、従軍慰安婦問題について交わした2015年末の日韓合意について日本の立場を明確に伝えたいと強調。その上で、北朝鮮への圧力を強化するために日米韓の連携を確認したいという。

安倍首相(左)は自民党議員などからの反発を覚悟の上で、平昌五輪開幕式に参加する意向を固めた(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 日韓合意は、両国の間で慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決を確認したものである。ところが文大統領は、1月10日の記者会見で「公式合意という事実は否定できないが、慰安婦問題は誤っており、解決せねばならない」と否定的な発言をした。

 それに対し日本のマスコミは、文大統領の発言を痛烈に批判した。国際間の合意を、大統領が交代したからといって反故にするなど、許される行為ではない。日本政府も非常に強く反発し、「日韓合意の内容を1ミリたりとも動かさない」と強調した。もちろん、安倍首相も再交渉については全面的に否定している。

 韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は、「元慰安婦たちの名誉・尊厳の回復と心の傷の癒やしに向けた努力を継続することを期待する」と発言し、日本に対して自発的な謝罪を要求した。

 しかし、日本はすでに何度も謝罪している。1995年の「女性のためのアジア平和国民基金」設立の際に、村山富市首相が謝罪。翌年には、橋本龍太郎首相も謝罪発言をしている。

 韓国は、今さら何を言っているのか。文大統領も、かつて日本の首相が謝罪したことなど、重々承知しているはずだ。

 問題は、ここからである。日本のマスコミは、「文大統領の発言は、日韓関係を悪化させることになる」と主張した。

 僕は、これは大変な誤解であると思う。

 そもそも、なぜ文大統領はこんな発言をしたのか。一言で言えば、彼は非常に弱くて自信がないからだ。

 1998年10月、当時の韓国大統領である金大中(キム・デジュン)が訪日し、小渕恵三首相と会談した。その時韓国側は、過去の両国の関係を振り返った上で、新しい友好的な日韓関係を築こうと言ってきたのである。最終的には日本側も同意した。いわゆる日韓共同宣言である。